ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を介した情報流出が、2件明らかとなった。関西国際空港会社からは業務情報が、近鉄百貨店からは顧客の個人情報1,107件が流出した。
■関西国際空港会社、社員の私有パソコンから業務情報流出
関西国際空港会社(本社:大阪府泉佐野市)は12日、同社の社員が自宅で使用していた私有パソコンから、Winnyを通じて業務関連情報がネットワーク上に流出したと発表した。同社によると、流出は6日に判明。流出しているファイルの名前から職員を特定し、事情を確認したところ、この社員が2006年4月から07年8月にかけて、自宅で仕事を行うために会社から自宅へファイルをメールに添付して送付し、パソコンのウイルス感染によりこのファイルが流出したことが分かった。流出したのは、関西国際空港2期島の設計に関する技術資料で古い情報だった。同社では、社員にファイル共有ソフトのインストールを禁止していた。
・関西国際空港等の情報流出に関するお詫びとお知らせ[PDF](関西国際空港会社)
http://www.kiac.co.jp/news/2007/706/jouhouryuusyutuHP.pdf
■近鉄百貨店、顧客情報1,107件流出
近鉄百貨店(本社・大阪市阿倍野区)は12日、阿倍野本店の家庭外商本部に所属する男性社員(49歳)のパソコンから、Winnyを通じて外商顧客1,107名の個人情報がインターネット上に流出したと発表した。同社によると、この社員は2003年4月から私有パソコンを会社に持ち込んで、業務に使用。2006年3月、保存してあった顧客情報を削除せずに自宅へ持ち帰り、家族がこのパソコンでWinnyを使っていたという。流出はウイルス感染によるもので、今月2日ごろに感染、流出したとみられる。流出したのはこの社員が作成した顧客名簿で、氏名、住所、購入した商品名や金額などが記載されていた。流出は4日、匿名の電話で判明した。
・近鉄百貨店
http://www.d-kintetsu.co.jp/index.html
(2008/03/14 ネットセキュリティニュース)