ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を介した情報流出が2件、明らかとなった。さいたま市消防局からは市民の個人情報を含む質問調書などが、JA越後ながおかからは農家の2,266名分の個人情報が流出した。
■さいたま市消防局、消防署職員の自宅PCから市民情報含む質問調書など流出
さいたま市(埼玉県)は3日、市民2名分の個人情報を含む行政文書がWinnyを介してネット上に流出した可能性があると発表した。
発表によると、2日午前4時頃、「当該情報がネット上に流出している」旨の匿名ファックスがあり発覚。同市消防局北消防署に所属する男性職員が、当該行政文書などをUSBメモリにコピーして自宅に持ち帰り、私用パソコンからWinnyを介してネット上に流出した可能性があることがわかった。3日現在、流出の事実確認は取れていないという。流出文書は、質問調書、署内共通ファイル、業務予定表。質問調書には市民2名分の個人情報(住所、氏名、年齢、職業、電話番号)が含まれていた。
同市は該当する市民に事情説明などの対応をし、今後もひき続き流出情報の事実確認を行うという。また、全職員に情報の取扱いについて緊急点検を実施し、情報の持ち出しをしないなど市情報セキュリティポリシーの徹底を図るとしている。
・さいたま市北消防署における個人情報を含む行政情報の流出について(60KB)(PDF文書)[PDF](さいたま市)
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1204583937732/files/siryou.pdf
■JA越後ながおか、組合職員の自宅PCから農家2,266名の個人情報流出
JA越後ながおか(新潟県長岡市)は2月28日、農家2,266名分の個人情報がWinnyを介してネット上に流出したと発表した。
発表によると、2月9日に外部から流出についての情報提供があり発覚。関係機関の指導で調査を行ったところ、同組合職員の自宅パソコンがウイルスに感染し、Winnyを介して情報がネット上に流出したことが判明した。
流出したのは、栖吉支店管内の農家などの個人情報1,810名分(米出荷、転作関係、水稲採種部会、中越地震農地復旧事業、中山間地直接支払い等で一部口座番号を含む)と、栖吉支店以外の農家の個人情報456名分(農地所在地、転作面積、生年月日など)。流出情報の内容は、流出したと想定される最大値だという。現在のところ、流出情報の不正使用は確認されていない。
同組合は、該当顧客に個別に謝罪と説明を行い、情報の不正使用に対して注意を呼びかけている。また、今後は職員教育の徹底と情報管理体制の強化を行い、再発防止を図るとしている。
・「パソコンのウイルス感染による個人情報の流出とお詫び」について(JA越後ながおか)
http://www.ja-echigo.or.jp/contents/echigo/info/apology080228.htm
(2008/03/05 ネットセキュリティニュース)