山口県光市の母子殺害事件をめぐる青山学院大学国際政治経済学部の瀬尾佳美准教授のブログでの発言がネット上で批判を浴び、同大学長がホームページに謝罪文を掲示するまでに発展。これで収束するかと思われたものの、ネット上の祭りはいつ終わるとも知れない状態が続いている。
事の発端は、広島高裁の死刑判決があった翌23日。ネット掲示板に『光市母子殺害事件の「被害者は1.5人」赤子は0.5カウント』というスレッドが立ち、准教授がブログに書いた『元少年に死刑は重すぎる』『最低でも永山基準くらいをラインにしてほしいものだ。永山事件の死者は4人。対してこの事件は1.5人だ(まったくの個人的意見だが赤ん坊はちょっとしたことですぐ死んでしまうので「傷害致死」の可能性は捨てきれないと思っている』という発言が紹介された。
掲示板には子供を「0.5人」と数えていることに非難が殺到し、たちまちのうちにスレッドの乱立状態が始まる。准教授の過去の発言には、他にも批判されそうな内容がが多数あり、それをを発掘して来て投稿する者や、同大に批判の電話を入れ、その内容を書き込む者も次々に登場。新たな話題が書き込まれるたびに、それが燃料となってさらに加熱していく、いわゆる「祭り」状態になった。
25日夜、同大学長は不適切な記述だったことを詫びる学長見解を同大ホームページに掲載。翌日早朝には、「多くの方たちの心を傷つけるような記述があり深く反省しております」との謝罪文が准教授のブログにも掲載され、ひとまず祭りは収束するかに見えた。
ところが准教授は、同大学長が准教授に口頭注意したと伝えた毎日新聞の記事に対し、開設していた別のブログで、学長には会っていないし注意を受けた事実もないと否定。問題となったほうのブログは認証制にし、閲覧できなくする。0.5は傷害致死の可能性を指摘したのであり、自分の意図と違う説明書きを外した記事が出回っているとして、24日に書き足した『ひとつが傷害致死の場合「殺人」の数は1。殺意があったなら2。どちらと信じる理由もないのでここでは1.5としておく』という部分まで含んだ説明書きを掲載するなどの行動をとった。これらがさらなる燃料投下となり、ネットの祭りは今しばらく収まりそうにない。
(2008/4/28 ネットセキュリティニュース)
■本学教員のブログ上の記述に関する学長見解[PDF](青山学院大学)
http://www.aoyama.ac.jp/news/256.pdf
■お詫び(日々の気になるトピックス 瀬尾佳美の暇つぶし日記)
http://blog.goo.ne.jp/kamiseo/e/ac1aaf9213788482174d85c51b333df5
■お詫び(おいしいものが食べたい)【認証制のため閲覧不可】
http://okame21.blog87.fc2.com/blog-entry-152.html