ファイル共有ソフトのWinny(ウィニー)やShare(シェア/シャレ)を介した情報流出が3件、明らかとなった。川崎市からは住民の個人情報を含む行政情報が流出。日本ビクターからは顧客の個人情報を含む業務情報が、医療機器商社のメディコスヒラタからは、医療関係者などの個人情報を含む業務情報が流出した。
■川崎市、住民の個人情報を含む業務ファイル流出
川崎市は4日、同市宮前区衛生課の女性職員(38歳)の自宅パソコンから、個人情報を含む業務ファイルがネット上に流出したと発表した。ウイルス感染によりShareを介して流出したもので、同市によると、ファイルには病原性大腸菌O157に感染した人や、健康上の相談をした人の氏名や住所など、個人情報が数百件含まれていた。女性職員は今年1月まで数年間にわたり、職場から持ち出した業務ファイルを自宅のパソコンに保存。女性職員の夫で同市環境局に勤務する男性職員が、このパソコンでShareを使っていた。同市では、業務資料の持ち帰りを禁止している。
・川崎市
http://www.city.kawasaki.jp/index.html
■ビクター、顧客の個人情報を含む業務資料流出
日本ビクター(本社:横浜市神奈川区)は3月31日、同社と一部関連会社の業務情報が社員の私有パソコンからネット上に流出したと発表した。同社よると、2月中旬に外部から情報の流出を指摘され、調査したところ、社員3~4人のパソコンからWinnyやShareを介して情報が流出していたことが判明した。流出していたのは主に製品のメンテナンスに関する書類で、個人顧客54件と、企業や官公庁約800件の名前、住所、電話番号などが含まれていた。情報が不正利用されたとの事実は確認されていないという。同社は、該当する顧客に書簡などで謝罪と報告をするとしている。
・お客様情報の流出について(お詫び)(日本ビクター)
http://www.jvc-victor.co.jp/support/info/use-info/index.html
■メディコスヒラタ、個人情報を含む業務関連ファイル流出
医療機器を扱うメディコスヒラタ(大阪本社:大阪市西区)は3月28日、同社社員の私有パソコンがウイルスに感染し、業務関連ファイルがネット上に流出したと発表した。Winnyを介して流出したもので、同社によると、流出が判明したのは3月26日。流出したファイルには、医療関係者の氏名や勤務先、患者のイニシャルや性別、疾患名等も含まれていた。同社では、流出した情報の不正使用等の事実はないとしている。
・業務関連情報流出に関するお詫びとお知らせ(メディコスヒラタ)
http://www.medicos-hirata.co.jp/owabi.htm
(2008/04/07 ネットセキュリティニュース)