PTA全国協議会は15日、全国の小学5年生と中学2年生およびその保護者に対して行った「子どもとメディアに関する意識調査」の結果報告書を公表した。報告によると、中学生の半数以上が1日に11通以上のメールを送受信したり、深夜までメールのやりとりをするなど、携帯の利用実態が明らかになった。
調査は昨年11月に、全国の小学5年生2,400人、中学2年生2,400人およびその保護者4,800人を対象にアンケート形式で行われ、回収率は7割以上だった。
調査の結果、小学生の19.3%、中学生の42.9%が携帯電話を所持しており、小学生の半数が子ども専用携帯を持っているのに対し、中学生のほとんどが一般の携帯を持っていた。
中学生の半数以上が1日に11通以上のメール送受信をしており、51通以上というヘビーユーザーも16.2%にのぼった。一方で、1日の通話時間は「1~5分」がもっとも多く「ほとんど使わない」と合わせると68%だった。これにより、携帯は主にメールのやりとりに使用されている状況が浮き彫りとなった。
中学生の半数が「深夜でもかまわずメールのやりとり」をしており、「返信がないととても不安になる」が24.3%「食事中も携帯が手放せない」が21.1%、「勉強中や授業中も携帯電話が気になる」が16.3%と、携帯依存の傾向が見てとれる。また、「親のしらないメル友がたくさんいる」「使用料金を使いすぎてしまう」など親の目の届かない状況での利用も明らかになった。
保護者が子どもの携帯利用について心配していることでは「料金を使いすぎてしまう」「メールの悪用、学校裏掲示板などによるいじめ」「有害サイトへのアクセス」という回答が多かった。携帯のフィルタリングサービスについては、導入している人が昨年度より13%増加し43.1%となった。一方、「導入していない」または「導入したが解約した」人は54.2%と半数以上を示す。
携帯やパソコンを使ってのインターネットの利用状況では、小学生は勉強のための情報収集が最も多く、次いでゲームなどの娯楽目的で利用している。中学生では趣味や娯楽目的とともに、友達とのコミュニケーションに利用する割合が増え、利用方法としてメールのやりとりのほかに、ブログやプロフ、掲示板、チャットなどへ書き込みを行うという回答が得られた。
最近、子ども達が出会い系サイトで犯罪に巻き込まれたり、学校裏サイトやプロフの書き込みからトラブルに発展するケース、また、掲示板にいたずら心で書き込んだ内容から大事となり、通告や書類送検される事件などが頻発している。携帯やパソコンなどの利用方法については、親子でしっかりとしたルール作りや話し合いが必要だ。
(2008/05/19 ネットセキュリティニュース)
■子どもとメディアに関する意識調査 調査結果報告書(PTA全国協議会)
http://www.nrsquare.com/pta/book_kodomotomedia_h20/