和歌山県内の教職員ら約1万8000名の個人情報が、ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を介して流出した。また、Winnyを介して児童や保護者の情報を流出させた長野県の小学校教諭と、Share(シェア/シャレ)を介して住民の個人情報などを流出させた川崎市宮前区役所職員に処分が下った。
■公立学校共済組合和歌山支部、教職員ら1万8000名の個人情報流出
公立学校共済組合和歌山支部(和歌山県和歌山市)に勤務する男性職員(44歳)の私物パソコンから、同共済の組合員や同県教育互助会(同市)の会員の個人情報が、Winnyを介してインターネット上に流出していた可能性が高いことが分かった。同支部によると、互助会の2001年度退職会員約7,000名や、2004年度互助会会員、2005年度共済組合員約1万1000名の、あわせて1万8000名について、名前、電話番号、住所などの個人情報が流出したとみられる。職員は共済組合の宿泊施設に勤務しているが、2004年度に互助会の宿泊施設で研修をしており、その際、同施設のパソコンからデータをコピーして私物パソコンに保存していた。情報は2006年1月に流出したとみられる。4月18日に、情報が流出していることがネット掲示板2ちゃんねるに書き込まれ、県教育委員会などに通報があったため発覚した。
・公立学校共済組合和歌山支部
http://www.kouritu.go.jp/wakayama/
■児童や保護者の情報394名分を流出させた長野県の小学校教諭に懲戒処分
長野県教育委員会は13日、前任校の児童265名と保護者129名の個人情報を流出させた、同県東信地区の小学校男性教諭(41歳)を、減給10分の1(3か月)の処分とした。教諭は今年4月、Winnyを介して児童や保護者の氏名、住所、電話番号や通知表下書などの個人情報を流出させた。県教委は、情報流出の危険性があることを知りながら、個人情報を完全に消去せずにWinnyを使用していたことが流出の原因であると指摘。禁止しているにもかかわらずファイル共有ソフトが入ったパソコンで個人情報を処理したことは、教育公務員としての自覚に欠けた過失によるもので、守秘義務違反および信用失墜行為に該当し、社会的責任が重大だとしている。
・職員の処分について[PDF](長野県教育委員会)
http://www.pref.nagano.jp/kenkyoi/teireikai/873/873_01.pdf
■住民の個人情報などを流出させた川崎市宮前区役所職員に懲戒処分
川崎市は1日、住民の個人情報を含む行政情報を流出させた宮前区役所の女性主任(37歳)を、減給10分の1(3か月)の処分とした。職員は、2003年度以降、担当事務に関連する行政情報データを5回にわたって無断で持ち出し、自宅のパソコンに保存。ウイルス感染により、食中毒患者や健康相談者などの個人情報を含む業務ファイルがShareを介して流出した。市は、大量の行政情報の流出を招いたことは、法令規則等を遵守し職務遂行に努める公務員としての自覚と責任感の欠如によるものであり、市民の信頼を著しく傷つけるものだとしている。
・報道発表資料 職員の処分について[PDF](川崎市)
http://www.city.kawasaki.jp/press/info20080501_9/item2660.pdf
(2008/05/16 ネットセキュリティニュース)