国民生活センターは5日、無料サイトへの登録をきっかけとした出会い系サイトのトラブルが増えているとして、出会い系サイトに関する相談件数や相談事例をまとめて公開し、注意を呼び掛けた。
同センターのまとめによると、出会い系サイトの利用料等に関する相談件数は、2004年度から2007年度までの4年間で約13万5000件にのぼる。2004年度から2006年度までは約5万件から約2万4000件へと右肩下がりの減少で推移したが、2007年度は2万9932件となり、前年度比125%と増加に転じた。
報告書では、特徴的な手口として、懸賞サイトや占いサイト、着メロサイトなどの無料サイトにアクセスすると、本人の意思とは無関係に複数の出会い系サイトに同時登録され、不当な料金を請求されることをあげている。
いったんサイトに登録してメールのやり取りが始まると、さまざまな理由をつけてメールのやり取り頻度を高め、利用料を高額にさせることも常套手段となっている。
ある女性は、難病の幼児を持つ父親という男性からメールが届き、手術するので子どもに会ってほしいなどと言われて相談にのっているうちに、相手とは会えないまま、80万円の利用料支払いを請求されたという。懸賞に当たったので賞金を受け取るために必要といわれ、出会い系サイトに個人情報を登録。結局、利用料金だけ引き落とされて賞金は振り込まれないという、典型的なトラブル例も紹介されている。
過去にサイト利用した経験がある人には、「未払いがある」「退会処理がされていない」などを理由に、サーバー使用料や調査料、登録料、延滞料などの二次請求をしてくるという手口も頻発しているという。
同センターは、無料サイトだからといって安易にアクセスし、不用意に個人情報を入力しないように呼びかけている。また、不当な請求に対しては支払わないこと、執拗な請求はドメイン指定拒否の設定をする、悪質メールは証拠として残し迷惑メール相談センターへ情報提供する。困ったことがあれば消費生活センターに相談するなど、連絡先をあげてアドバイスしている。
(2008/06/06 ネットセキュリティニュース)
■無料サイトがきっかけで出会い系サイトのトラブルに―期待を抱かせる巧妙な手口で不当な請求―[PDF](国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20080605_1.pdf