インターネット上のホームページ(HP)に、権利者に無断で音楽ファイルを掲載し不特定多数に無料でダウンロードさせていたとして、著作権法違反の罪に問われた奈良市の元会社員の被告(47歳男性)に対し、札幌地方裁判所は27日、懲役1年6月・執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。
判決などによると、被告は昨年12月、自宅のパソコンでビクターエンタテインメントなどの楽曲8曲の音楽ファイルを公開し、レコード会社などの著作権を侵害した。
被告はインターネットに常時接続されている奈良市内の自宅のパソコンを利用してホームページを開設し、自分のコレクションだった音楽ファイルを公開。米国に単身赴任した2007年以降も、現地からの遠隔操作で配信を続けていた。
今年4月、北海道札幌方面中央警察署の捜査員がサイバーパトロール中に被告のHPを発見し、日本音楽著作権協会(JASRAC)に照会。同協会の調査で、ほとんどすべての楽曲が無断配信された同協会の管理楽曲であることが判明した。
告訴を受けて8月21日、奈良市の自宅に戻っていた被告を逮捕。押収したハードディスクには約2万1000曲の音楽ファイルが保存されており、通信履歴からは2006年1月2日~2008年4月21日間に約115万回ダウンロードされたことが判明した。9月10日、札幌地方検察庁が札幌地方裁判所に起訴。今月15日に開かれた初公判で、被告は起訴事実を認め即日結審した。
(2008/10/31 インターネットセキュリティニュース)