ウイルス感染による情報流出が、新たに3件明らかになった。昭和大学では大学病院の患者情報が、東京消防庁では江戸川区民らの個人情報が、宮崎県西都市では職員の給与情報などが、Winnyを介してインターネット上に流出した。
■昭和大学、大学病院の患者情報88名分流出
昭和大学(東京都品川)は1日、薬学研究科医療薬学専攻に在籍していた大学院生の私有パソコンから、6年前の患者情報88名分が流出したと発表した。
流出したのは、2002年6月20日から同年8月12日の間に昭和大学病院小児科に通院したり入院していた患者88名の氏名、ID番号、生年月日、受診日、年齢。一部病名や血液検査結果も含まれていた。
院生は2001年度から2003年度まで同大に在籍していた。自宅のパソコンに残っていた当時のデータを削除しないままWinnyを使用し、今年7月頃にウイルスに感染、流出したものとみられる。先月25日夕方、ネット掲示板に流出情報が書き込まれ、同大では翌日に状況を把握。該当者に個別に連絡し、事情の説明と謝罪を行っているという。
・緊急のお知らせ(患者様情報の流出について)(昭和大学)
http://www10.showa-u.ac.jp/~news-events/oshirase1.htm
■東京消防庁、江戸川区民らの個人情報448名分流出
東京消防庁は1日、江戸川消防署職員の私有パソコンから、江戸川区民らの個人情報を含む内部文書が流出したと発表した。
流出したのは、2003年から2007年にかけて作成された災害時支援ボランティア名簿など166件。ボランティアの区民ら398名の氏名や住所、電話番号、職業のほか、職員50名分の名簿も含まれていた。当該職員がこれらデータをUSBメモリーに入れて持ち帰り、自宅のパソコンにつないだところ、ウイルスに感染し流出したらしい。先月29日に総務省などからの指摘で発覚した。
・東京消防庁
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/
■宮崎県西都市、職員の給与明細など流出
宮崎県西都市職員の私有パソコンから職員の給与明細などが流出したと、宮崎日日新聞が1日付で報じた。市では実際の流出物を確認できておらず、現在調査を行っている。
先月29日夜、ネット掲示板に同市の福祉事務所の職員のものとみられる流出情報と、画像投稿サイトに投稿された流出物のサンプル画像のリンクが書き込まれ、同日、市に匿名のFAXが寄せられた。投稿された画像は、2006年度9月の職員7名分の給与明細と自立支援・更生訓練費の集計表、同市と6町村で作る西都児湯環境整備事務組合の財政融資資金借入申込書と受領書の4点。
当該職員がこれらデータを自宅に持ち帰り、ウイルスに感染・流出したものとみられる。投稿画像には個人を特定できる情報はないが、個人情報が含まれる可能性もあり、市では調査を進めている。
・西都市
http://www.city.saito.miyazaki.jp/
(2008/10/03 インターネットセキュリティニュース)