陸上自衛隊の内部資料がWinnyネットワークに流出していることがわかった。東北新社の子会社からは新卒採用の応募者情報が、横浜市からは水道局の行政情報が流出。愛知県は9月に公表した職員研修資料流出事件の続報を出した。
■陸上自衛隊、災害派遣やイラク戦争関連など内部資料が多数流出
18日午後8時12分、大手掲示板「2ちゃんねる」に陸上自衛隊の内部資料がWinnyネットワーク上に流出していることを示す画像サイトのURLが書き込まれた。画像サイトに掲載されていたファイルは、流出ファイル一覧とみられるショット画面、警備隊の通達範囲を示す関東圏の地図、陸海空軍の連絡網を示す日本地図など。掲示板には、流出元として神奈川県の通信学校勤務者の名前があげられていた。
流出ファイル一覧画面には、軍歌の歌詞テキストなどともに、有珠山災害派遣、イラク戦争、部隊訓練目標などの言葉を含むファイルが多数リストされている。毎日新聞の20日付の報道によると、流出ファイルはフロッピーディスク約90枚分に及ぶという。
・陸上自衛隊
http://www.mod.go.jp/gsdf/index_h.html
■オムニバス・ジャパン、新卒採用の応募者110名の個人情報含む書類流出
東北新社(本社:東京都港区)は17日、子会社であるオムニバス・ジャパン(東京都港区、以下同社)の新規学卒者採用にのぞんだ応募者の個人情報110名分がインターネット上に流出したと発表した。
発表によると、流出した個人情報は、同社が2005年と2006年に実施した新卒採用に応募した110名分の氏名、年齢、性別、住所、電話番号、メールアドレス、学歴等。流出ファイル画像には、アニメーターやデザイナ―、システムエンジニア、プログラマー志望者らの自己紹介、面接官の内部評価、筆記試験の点数なども含まれていた。
同社は採用選考の情報共有を図るため、これらの情報を部署内共有サーバーに一時保管していた。その一部が私物パソコンに保存され社外に持ち出され、当該パソコンのウイルス感染により流出したものとみられる。同社は、該当者に対し個別に連絡してお詫びと経緯説明をしている。
・当社子会社における個人情報の流出について(東北新社)
http://www.c-direct.ne.jp/public/japanese/uj/pdf/10102329/20081017161743.pdf
■横浜市、職員がUSBメモリで持ち出した水道局の行政情報が流出
横浜市は12日、水道局の行政情報がWinnyネットワーク上に流出したと発表した。発表によると、流出した行政情報は、物品契約の履行完了時に検査結果を記す「物品完了検査証」で、個人情報は含まれていない。流出ファイルには、ほかに水道局浄水部のロゴ見本様のもの、同局のボウリング部年間予定表なども確認されている。
12日に流出を指摘する匿名のFAXが水道局総務に届き、事態が発覚。指摘内容について確認し、通信記録を調査したが、同局ネットワークから流出した痕跡は認められなかった。流出元となった職員を特定し事情聴取と自宅の私物パソコンを調査したところ、2003年頃に行政情報を私物USBメモリーに格納し、自宅の私物パソコンにコピーしたことが判明。当該PCでWinnyを利用していることから、ここから流出した可能性が高いことが確認された。また、当該USBメモリーを2006年10月に盗まれていることから、そこから流出した可能性もあるという。
・水道局行政情報の流出について(横浜市)
http://www.city.yokohama.jp/ne/news/press/200810/20081016-034-6228.html
■愛知県、職員研修資料流出で続報~流出情報はのべ1285名分
愛知県は先月24日、職員対象の研修資料がインターネット上に流出したと公表したが、今月3日に続報を出し、その後の調査で明らかになったことを公開した。続報によると、先の発表では、受講者の氏名や研修の動機、試験の点数などを記載したアンケート用紙29名分が流出したとしていたが、その後の調査でアンケート用紙はのべ1285名分であることがわかったという。
・愛知県の平成17年度情報処理研修に関する情報の流出について(第2報)(愛知県)
http://www.pref.aichi.jp/0000019053.html
(2008/10/20 インターネットセキュリティニュース)