25日から開かれている「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」に合わせるように、ファイル共有ソフトを使った児童ポルノ配信が相次ぎ摘発された。
ファイル共有ソフトeMule(イーミュール)を通じ不特定多数に提供する目的で児童ポルノ動画を所持していたとして、埼玉県警は5~12日、和歌山県和歌山市の団体職員の男(27歳)と広島県三次市の会社員の男(37歳)、東京都昭島市の会社員の男(36歳)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供目的所持)容疑で逮捕した。先に逮捕された和歌山県と広島県の男は同法違反罪で略式起訴され、25~26日、罰金100万円の略式命令を受けている。
長野県警少年課と生活環境課、長野中央署は25日、ファイル共有ソフトLimeWire(ライムワイヤー)を使って小学校低学年女児の裸の動画を不特定多数が閲覧できるようにしたとして、北海道旭川市の飲食業の男(24歳)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(公然陳列)で逮捕した。埼玉県警は今年6月、ブラジルの捜査当局からの情報提供に基づき捜査。長野県警は今年7月、サイバーパトロールで発見し捜査を続け、今回の逮捕に至った。
ファイル共有ソフトをめぐっては、著作権侵害とともに、児童ポルノやわいせつ物の違法配信も大きな問題として指摘されている。ところが、WinMX(ウィネムエックス)時代にわいせつ画像の配信が数件摘発された程度で、ほとんど野放し状態だった。今回の逮捕にしても、国内で普及しているWinnyではなく、世界的に普及しているが国内ではむしろマイナーな存在であるeMuleやLimeWireが対象だった点が気になるが、これを機に国内で問題となっているファイル共有ソフトを使った児童ポルノ配信の積極的な摘発に期待したい。
(2008/11/27 インターネットセキュリティニュース)
■長野県警ニュース24時(長野県)
http://www.pref.nagano.jp/police/kouhou/news24.htm