Google(グーグル)マップ上にユーザーが自分用の地図を作り、一般に公開したり知り合いと共有したりできる機能「マイマップ」をめぐり、意図しない個人情報の流出が次々と明らかになり、問題となっている。
大手ゲームメーカーのセガ(東京都大田区)は4日、アルバイト応募者115名分の個人情報がマイマップを通じてインターネット上に流出していたと発表した。このほか、これまでに公表・報道されているだけでも、名古屋市天白区の並木病院(患者80名)、長野県飯田市立小学校(児童32名)、千葉県君津市立中学校(生徒24名)、千葉県船橋市立小学校(児童15名)、静岡県三島市立中学校(生徒26名)、宮崎大学附属小学校(児童35名)、東京都杉並区立小学校(児童26名)、静岡県伊東市立小学校(児童34名)、名古屋市立中学校(生徒70名)など次々に上がっており、個人情報を記載したマイマップのURLがネット上に晒される事態も続いている。
この騒動の原因は、Googleマップの「公開設定」の意味を、多くのユーザーが誤解していることにある。
マイマップには「公開」と「非公開」の2種類の公開設定がある。Googleは、「公開」はインターネットに公開されて誰でも見ることができる地図、「非公開」は選択した一部の人とだけ共有する地図だと説明している。ところが実際は、「公開」はGoogleマップやGoogle Earth(グーグルアース)の検索対象になる、「非公開」は検索対象にならない、という違いだけで、アクセス制限がかかっていないためセキュリティ上は公開状態にある。
また、マイマップの初期設定が「公開」になっているのに気づかずに使っているユーザーも多数いるという。
このような誤解や誤解を生む背景のもと、ユーザーが自分用の地図として自宅の住所や電話番号、友人や顧客の個人情報などをマイマップ上に書き込み、気づかぬうちにネット上に個人情報を公開してしまっているわけである。
この事態を受けてGoogleは4日、これまで「公開」「非公開」としていた公開設定を「一般公開」「限定公開」と文言を変更た。
ただし、「限定公開」に設定していてもセキュリティ上は公開している状態なので、個人情報など他人に知られてはならない情報はマイマップに書き込まないよう強くお勧めする。書き込んでしまった情報はマイマップから削除し、情報が検索結果に表示されている場合は専用フォームから削除要請を行う。
(2008/11/07 インターネットセキュリティニュース)
■マイマップの公開設定をご確認ください(Google Japan ブログ)
http://googlejapan.blogspot.com/2008/11/blog-post.html
■公開マップと非公開マップ(Googleマップ)
http://www.google.co.jp/intl/ja/help/maps/userguide/index.html#public
■マイマップの違反を報告(削除専用フォーム)(Googleマップヘルプ)
http://maps.google.com/support/bin/request.py?contact_type=mymaps&hl=jp
■アルバイト応募者の個人情報の流出に関するお詫びとお知らせ(セガ)
http://sega.jp/topics/081104_2/