年末年始の長期休暇を控えて、セキュリティ機関などが注意を呼びかけている。
この時期には、年賀状などを装って添付ファイルなどを開かせるウイルスメールの増加が懸念される。情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は、「見知らぬ相手から届いた添付ファイル付きメールは削除する」「添付ファイルの見た目に惑わされない」「知人からのメールでも、添付ファイル付きは疑う」「やたらにファイルを添付しない」「メールソフトの添付ファイルの扱い方を理解する」といった注意点をあげ、添付ファイル付きメールの扱いに注意を払うよう呼びかけている。
また、最近はUSBメモリーやメモリーカード、外付型ハードディスクなどの外部記憶メディアを介して感染を広げるウイルスが流行していることから、デジカメ画像などのデータのやり取りに際しても十分注意する必要があると指摘。「所有者のわからないメモリーをパソコンに接続しない」「不特定多数が利用するパソコンにメモリーを接続しない」「個人のメモリーを会社のパソコンに接続したり、会社のメモリーを自宅のパソコンに接続しない」といった、被害を未然に防ぐための原則を挙げている。
JPCERTコーディネーションセンターもまた、USBメモリーなどの使用に対し同様の注意喚起を行っており、休暇中に社外で使用したメモリーを社内の機器に接続する際には、ウイルス感染を防ぐために、シフトキーを押しながら接続することで自動実行を一時的に無効にすることを推奨。内容を確認する前にウイルス対策ソフトでスキャンを行うよう呼びかけている。
休暇中はネットを利用する機会も多くなることから、ワンクリック詐欺やセキュリティ対策ソフトの押し売り被害にあう危険も増加する。これらの被害にあわないようにするためには、ウイルス対策ソフトやスパイウェア対策ソフトの利用、最新のセキュリティパッチを適用し脆弱性を解消するとともに、もし画面に不正請求画面が表示されても慌てず、基本的には無視し、こちら側からは絶対にお金を振り込んだり問合せをしないこととし、契約が成立しているか心配な場合は、最寄りの消費生活センターに相談するよう促している。
セキュリティ対策ソフトの押し売りについても、バナー広告やデスクトップ画面に「あなたのパソコンからウイルスが発見されました」とか「あなたのパソコンにはエラーが発生しています」といった内容が表示されても、慌ててクリックせずに、無視することが最善の対策であるとしている。
(2008/12/26 ネットセキュリティニュース)
■年末年始における注意喚起(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/topics/alert201222.html
■冬期の長期休暇を控えて(JPCERT/CC)
http://www.jpcert.or.jp/pr/2008/pr080007.txt
■長期休暇の前にセキュリティ対策のお願い(マイクロソフト)
http://www.microsoft.com/japan/security/vacation.mspx