ファイル共有ソフトを介した情報流出が2件、相次いで発覚した。日本電子力発電からは敦賀原発に関する内部資料が、早稲田大学からはセクハラ相談の内容や個人情報が、ファイル共有ソフトを介してインターネット上に流出した。
■日本電子力発電、敦賀原発の内部資料が流出
日本電子力発電(本社:東京都千代田区)は11月28日、敦賀原子力発電所(福井県敦賀市)の内部資料が、同社社員の私有パソコンからインターネット上に流出したと発表した。同社によると、11月25日に関連会社から指摘をうけて事態が発覚。流出した情報には、核物質防護などに関わる機微情報は含まれていないという。
流出した内部資料は、2005~2006年に作成された約480件のファイルで、低レベルの放射性廃棄物を処理するプラズマ溶融炉の報告書や議事録などが含まれていた。また、取引先の情報なども含まれている可能性があるという。同社では、社内規定でデータの持ち出しが禁止されていた。11月23日頃ウイルスに感染し、ファイル共有ソフトのShare(シェア)を介して流出したとみられる。
・当社社員の個人所有パソコンからの業務情報の流出について[PDF](日本原子力発電)
http://www.japc.co.jp/news/bn/h20/201128.pdf
・日本原子力発電
http://www.japc.co.jp/
■早稲田大学、セクハラ相談の内容や個人情報719件が流出
早稲田大学(東京都新宿区)のハラスメント相談の内容や個人情報がファイル共有ソフト「Share」を介してインターネット上に流出していたことが判明した。流出した情報は、同学の「ハラスメント防止委員会」の女性嘱託職員が作成した、1999年以降の相談についてのリストで、719件分の相談内容が記載されていた。当該職員がデータを自宅に持ち帰り、リストをデータベース化する作業をしていたことまでは判明しているが、その後の流出経路については判明していない。
流出した情報には、「セクハラ」「ストーカー」「アカハラ(アカデミック・ハラスメント)」などの相談について、相談年月日、相談者の氏名、性別、所属や、相手の氏名、性別、所属などの個人情報が記載されていた。11月14日頃ウイルスに感染し、Shareを介して流出したとみられる。流出した情報は相談内容をリスト化したもので、実際にセクハラなどがあったかどうかの事実関係は不明。
・早稲田大学
http://www.waseda.jp/
(2008/12/02 インターネットセキュリティニュース)