実在する会社名をかたり、情報サイトなどの退会処理を行っていないことを理由に支払いを求める架空請求メールが、今月に入って出回っている。社名を悪用されたスクウェア・エニックスやネットエージェントが注意を呼びかけている。
スクウェア・エニックスをかたる架空請求メールは、同社の調査事業部などの架空の部署からの送信を装い、無料期間内に退会処理を行わなかったために登録料金と利用料金が発生しているとして、精算・退会手続きを行うよう求める。下記の『携帯電話番号で送信される「退会未処理を理由にした不当な請求メール」にご注意!』にある例とよく似た内容で、具体的なサービス名や金額は示さず、「ネットワーク事業者センター」や「発信者端末電子名義認証」といったもっともらしい嘘を並べ、応じなければ身辺調査や信用情報機関への登録、法的手続きを行うと脅す。
ネットエージェントをかたる架空請求メールも同様。総合情報サイトの退会手続きが無料期間内で行われていないため登録料と延滞料が発生しているとし、翌営業日までに記載の電話番号まで問い合わせるよう求める。こちらは、法務大臣から許可を受けた「IRC」という架空の債権回収会社を名乗り、同社から調査の依頼を受けたとしているが、法務大臣の許可した債権回収会社の業務は限定されており、情報サービスの未納料金を請求するようなことはない。
いずれの架空請求メールも、連絡期限を翌営業日までと短く設定し、考える猶予を与えずに電話をかけさせようとする。が、たとえ確認するためや間違いであることを伝えるつもりであっても、焦って電話をしてはいけない。焦らせるのは詐欺師たちの常とう手段であり、その結果、個人情報伝えてしまったり、まんまと術中にまって金銭を騙し取られる羽目になる。先月、架空請求メールを受け取り思わず電話をかけてしまった神戸の会社員の男性は、その後33回にわたって計1100万円を振り込み、騙し取られてしまった。
警察庁がまとめた昨年1年間の架空請求被害は3215件、被害総額は35億8700万円。そんな被害者の仲間に加わらないようにするためには、請求があっっても決して慌てず、間違っても相手に連絡をとったりはせず、最寄りの消費生活センターや警察に相談するようにしていただきたい。
(2009/02/27 ネットセキュリティニュース)
■架空請求メールについてのご注意(スクウェア・エニックス)
http://www.square-enix.com/jp/info/090205.html
■当社と類似した社名による不審なメールについてのご注意(ネットエージェント)
http://www.netagent.co.jp/caution_200902.html
■携帯電話番号で送信される「退会未処理を理由にした不当な請求メール」にご注意!
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/sn-20080321.html
■悪質な「利用した覚えのない請求」が横行しています(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/twoshotto.html
■債権回収会社と類似の名前をかたった業者による架空の債権の請求にご注意ください(法務省)
http://www.moj.go.jp/KANBOU/HOUSEI/chousa19.html