警察庁は2月26日、2008年のサイバー犯罪(情報技術を利用する犯罪)の検挙状況および相談状況を発表した。サイバー犯罪の検挙数は6321件で、前年より15.5%増加。2004年からの過去5年間で約3倍になった。
そのうち「不正アクセス禁止法違反」は1740件で、前年より20.7%増加。「コンピュータ又は電磁的記録を対象とした犯罪」は247件で、前年より118.6%増加した。「ネットワークを利用した犯罪」は4334件で、前年から10.6%増加している。
「ネットワークを利用した犯罪」の中で、特に目立って増加したのが出会い系サイト規制法違反(367件)で、前年(122件)より200.8%の増加となっている。
一方、都道府県警察の相談窓口で受理したサイバー犯罪等に関する相談の件数は8万1994件で、前年(7万3193件)より12.0%増加した。最も多かったのは「詐欺・悪質商法に関する相談」の3万7794件(前年3万2824件)で、全体の46.1%を占める。次に多いのが、掲示板に誹謗中傷の書き込みをされた、写真や氏名、住所等が無断で掲載された、書き込みを削除させたいなど「名誉棄損、誹謗中傷等に関する相談」で1万1516件。前年(8,871件)と比べて29.8%増加している。
他に増加が目立ったのは、ネットオークションやオンラインゲームでIDやパスワードを勝手に使われた、ファイル共有ソフトを使用してウイルスに感染し、パソコン内のデータがネット上に流出したなどの「不正アクセス、コンピュータウイルスに関する相談」で、4552件と前年(3005件)より50.5%の増加。勧誘のメールが1日に何通も届く、わいせつなメールが送られてくるなど、「迷惑メールに関する相談」も6038件と前年(4645件)より30.0%増加した。
(2009/03/13 ネットセキュリティニュース)
■平成20年中のサイバー犯罪の検挙状況等について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h20/pdf46.pdf