朝日新聞社は3月31日、東京本社編集局の校閲センター員(49歳)が社内のパソコンからネット掲示板「2ちゃんねる」に、部落差別や精神疾患への差別を助長する内容を投稿していたとして、asahi.comに謝罪記事を掲載した。
ことの発端は、2ちゃんねるの鉄道関係の掲示板「鉄道路線・車両板」の複数のスレッドに対し、投稿削除の表示として使われている「あぼーん」が大量に投稿されことに始まる。匿名で行われていたこの荒らし行為に対し、30日午後、2ちゃんねるの運営は掲示板で発信元を公表し、発信元となった朝日新聞社のドメインのひとつ「asahi-np.co.jp」からの書き込みを規制した。
荒らし行為を行っていた者は2月から連日書き込んでいたと見られ、同日夜には、差別語を使って相手を罵倒する書き込みも複数発覚した。外部からの指摘を受けた朝日新聞社は、社内調査を実施し投稿者を特定。翌31日、当該センター員に事情を聴いたところ、「他の投稿者と応酬するうちにエスカレートしてしまった。悪いことをしました。釈明の余地はありません」と投稿を認めたという。
同社広報部は、「弊社社員が2ちゃんねるの掲示板にきわめて不適切な書き込みをし、多くの皆さまに不快な思いをさせ、ご迷惑をおかけしたことをおわびします。事実関係をさらに確認した上で、厳正な処分をいたします」とコメントしている。
インターネットにアクセスすると、発信元の足跡がIPアドレスという形で残る。ネット環境の整った会社や組織では、使用するIPアドレスやドメインの情報が公開されているので、発信元は即座に判明する。職場からのネット利用は、常に会社や組織の看板を背負っているんだということを、くれぐれも忘れないでいただきたい。
(2009/04/06 ネットセキュリティニュース)