大分労働局、土岐市、国土交通省のホームページが不正アクセスを受けていたことが相次いで発覚した。残された署名などから、それぞれ異なるクラッカー(ハッカー)グループから不正アクセスを受けたとみられる。
■大分労働局HPに不正アクセス、データは漏えいせず
厚生労働省は14日、同省大分労働局のホームページが不正アクセスを受けていたことを明らかにした。同省では13日午後1時30分頃、内閣官房情報セキュリティセンターより連絡を受け事態を把握。大分労働局では7日午後2時頃に不正アクセスを把握していたものの、同省に連絡をしていなかった。
同省では、保有するデータの改ざんや漏えいは認められていないとしているが、ホームページの「トピックス」部分に「Hacked by Ashiyane Digital Security Team」という不正なトピックスが追加され、イランの地図や「We Love Iran」などの文字が表示される状態となっていた。実行者はイランのクラッカーグループ「Ashiyane Digital Security Team」を名乗っている。同ホームページは13日から運用が停止されている。
・大分労働局ホームページへの不正アクセスについて(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/04/h0414-2.html
■土岐市HP、不正アクセスを受け改ざん
岐阜県土岐市は13日、同市のホームページが不正アクセスを受け、トップページを改ざんされていたことを明らかにした。同市によると、11日午前1時25分から12日午前10時50分までの間、トップページを表示しようとすると不正なページが表示されるようになっていた。
利用者からの電話連絡で発覚したもので、調査の結果、サーバーに不正な「index.html」を書きこまれていたことがわかった。実行者はブラジルのクラッカーグループ「Fatal Error Group」を名乗っている。改ざん後のトップページ閲覧数は268件。書きこまれた「index.html」では、別サイトへの誘導や不正プログラムの埋め込み、ウイルス等は確認されなかった。
・(お詫び)土岐市ホームページのトップページの改ざんについて(土岐市)
http://www.city.toki.lg.jp/wcore/hp/page000004900/hpg000004810.htm
■国交省「調達情報公開システム」、不正アクセス受けHP改ざん
国土交通省は13日、同省ホームページの「調達情報公開システム」が不正アクセスを受けて改ざんされていたことを明らかにした。同システムのトップページにアクセスすると、中国国旗と「Remember History,Or you will be ashes!!!」という文字が表示され、ブラウザの設定によっては中国国歌が流れるようになっていた。実行者は「Chinese Hacker Team:No.8 army」と名乗っている。
11日午後6時30分頃、内閣官房情報セキュリティセンターが改ざんを発見。同日午前10時頃から午後0時30分頃までの間に改ざんされたとみられている。同省では12日午後1時20分頃から当該サーバーを停止し、調査を行っている。13日の時点では、ウイルスは検知されていないという。
・調達情報公開システムにおけるWeb改ざんについて(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo05_hh_000026.html
(2009/04/16 ネットセキュリティニュース)