ウイルス感染によるファイル共有ソフトを介した情報流出が、ようやく収まりつつあるようだ。感染・流出自体は、まだまだ続いているが、業務や顧客などに関するセンシティブな情報流出はめっきり減り、リリースを出さざるを得ないようなケースは少なくなった。
1~4月に公表・報道された件数を見ると、ピークだった2006年の116件が翌2007年には54件に。昨年は32件、今年は15件と、かなり減っていることが分かる。今年3月の公表件数は、丸4年ぶりの0件。4月も既報の東京臨海病院と熊本県教育委員会、今回お伝えする南会津消防本部とパナソニックファクトリーソリューションズの4件にとどまっており、毎度懸念される長期休暇中の感染・流出も、今のところ大騒ぎになるようなものは見つかっていない。このまま静かに収束して行くことを祈るばかりだ。
■南会津消防本部の内部資料流出
4月17日、南会津地方広域市町村圏組合消防本部(福島県南会津町)の内部資料がインターネット上に流出したと地元の放送局などが伝えた。 流出したのは、同消防本部の立ち入り調査などに使われた資料や救急講習のマニュアルなどで、資料には同県下郷町の公共施設や宿泊施設など207件の住所や電話番号、所有者や管理者の名前が記載されていた。4月14日頃、ウイルス感染しShareを介して流出。16日に外部からの通報で発覚した。
・南会津地方広域消防本部
http://www.minamiaizu-kouiki.jp/minami_fds/
■パナソニックファクトリーソリューションズ社員のメールファイル流出
パナソニックファクトリーソリューションズ(本社:大阪府門真市)は4月13日、同社社員の私有パソコンから、電子メールがインターネット上に流出したと発表した。
流出した電子メールには業務用のメールもあり、取引先や同社の社員など678名分のメールアドレス、氏名、連絡先が含まれていた。今年1月4日頃にウイルスに感染し、パソコン内のメールファイルが丸ごとWinnyを介して流出したもので、同社は1月31日に流出していたことを把握したという。
・情報流出に関するお詫びとお知らせ[PDF](パナソニック ファクトリーソリューションズ)
http://panasonic.co.jp/pfsc/news/20090413.pdf
(2009/05/08 ネットセキュリティニュース)