ソーシャルネットワーキングサービス(SNSN)の最大手「mixi」を運営するミクシィ(本社:東京都渋谷区)は19日、青少年ユーザーを保護するためにゾーニング施策を強化すると発表した。ゾーニングとは利用者ごとに機能制限を設けることで、今回は18歳未満のユーザーがトラブルに巻き込まれることを防ぐために、異性との出会い目的で利用されることが多い機能が制限される。実施は11月4日からとしている。
出会い機能の制限として、プロフィールページなど主要ページへのアクセス制限、および検索機能の利用が制限される。具体的には、18歳未満ユーザーは「マイミクシィ」と「マイミクシィのマイミクシィ」以外のユーザーへのアクセスができなくなる。18歳以上の一般ユーザーは「マイミクシィ」および「マイミクシィのマイミクシィ」以外の18歳未満のユーザーへのアクセスが制限される。また、検索機能の利用制限として、18歳未満ユーザーは、日記やフォト、動画、レビューの検索ができなくなり、同時に18歳未満ユーザーの日記や写真、動画などは検索結果に表示されなくなる。
【背景に「非出会い系」でのトラブル急増】
こうした出会いに関する機能制限の背景には、「非出会い系」でのトラブル増加に対する危機感がある。非出会い系とは、いわゆる出会い系サイトとは異なるSNSやプロフ、掲示板など一般の双方向サイトを指す。これら非出会い系サイトで被害にあう子どもが急増している。警察庁によると、2009年上半期、出会い系サイトを利用して犯罪被害にあった児童(18歳未満)は265名であるのに対し、SNSなど非出会い系サイトで被害にあった児童は545人と倍以上だ。545名のうち363名が「青少年保護育成条例違反」の被害者で、児童買春・児童ポルノ法違反の被害者が139名。なかには殺人(1名)、強姦(6名)、略取誘拐(2名)、強制わいせつ(2名)の被害にあった児童もいる。被害児童のうち522名は女性だ。
こうした状況をふまえ、ミクシィはこれまでも青少年のためのトラブル予防対策に努めてきた。今年6月にも「青少年保護のためのゾーニングの強化」を発表しており、18歳未満ユーザーの保護施策として、コミュニティ利用制限、友人検索の利用制限、一部のレビューや広告の非表示などを実施。24時間365日、200名規模のパトロール体制やセキュリティシステムの整備を進め、新規登録時の携帯電話端末認証やEMA(一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)をはじめとする外部団体との連携なども推進している。
これらの努力が非出会い系での青少年の犯罪被害予防にどのような効果をもたらすか期待され注目される。
(2009/10/23 ネットセキュリティニュース)
■ミクシィのリリース
・青少年ユーザー保護のためのゾーニング施策強化のお知らせ[PDF]
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=745722
・青少年保護のためのゾーニングの強化について
http://mixi.co.jp/press_09/0601_1.html
・青少年の健全育成に向けた取組みについて
http://mixi.co.jp/press_09/0601_2.html
■平成21年上半期のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h21/pdf49.pdf