ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)GREEを運営するグリー(本社:東京都港区)は13日、未成年ユーザーが親権者の同意がないまま高額の有料課金サービスを利用することを防ぐため、課金利用上限額を設けるなどの対策をとると発表した。
同社によると、有料課金サービスの利用が増加していることから、取り組みを強化することにしたという。具体的には、ソフトバンクモバイルを利用している未成年ユーザーについて、月間での課金利用額の上限を3万円とする。これは、ソフトバンクモバイルの場合、課金利用額の上限が設定されておらず、暗証番号による認証も行われていないため。
他キャリアについて見ると、ドコモでは、iモード情報料の月間での利用上限額を顧客が0円~10万円の間で10段階に設定できる「iモード情報料リミット」という仕組みを設けている。また有料コンテンツ購入時には、必ず暗証番号の入力が必要となっている。
KDDIでは、有料コンテンツの料金などを携帯電話利用料と合算して支払う「まとめてau支払い」において、20歳未満の場合は上限額が最大1万円に制限されている。さらに、顧客自らが利用限度額を1000円単位で設定することもできる。有料コンテンツ利用時の認証については、デフォルトでは暗証番号の入力が必要だが、顧客の申し込みにより入力を省略することもできるようになっている。
グリーでは、このほかの取り組みとして、9月から商品購入画面に親権者の同意を得ていることを確認するボタンを設置している。また、TVCMにおいて、一部コンテンツが有料であることを明示する予定。
「無料」をうたう携帯ゲームサイトから高額の請求があったという事例をめぐっては、読売新聞が10日、GREEの名を挙げて報じていた。
同様の例として、国民生活センターでは7月、小学生がインターネット上のサイトで親名義のクレジットカード番号を打ち込み、アバター用のアイテムを購入して、高額の請求があったという事例を紹介している。同センターでは、大人がクレジットカードをきちんと管理すること、子どもたちにクレジット契約の仕組みを教えること、親子でインターネット利用のルールを決めることをアドバイスしている。
(2009/10/15 ネットセキュリティニュース)
■有料課金サービスの利用者保護に向けた取り組みの強化について(グリー)
http://www.gree.co.jp/news/press/2009/1013.html
■親が知らぬ間に!ネット上の着せ替えゲームで高額請求(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/kmj_mailmag/kmj-support16.html
■iモード情報料リミット(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/charge/introduction/structure/imode/limit/
■「まとめてau支払い」には利用限度額はありますか?(KDDI)
http://cs119.kddi.com/faq/1032/app/servlet/relatedqa?QID=000213