文部科学省のサイト「ライフサイエンスの広場」のサーバーがウイルスに感染し、同サイトは7日夜から運用が停止されている。
同サイトを運営している科学技術振興機構によると、8日の時点で、サーバーが外部に対して大量の通信を行うウイルスに感染していたことが判明している。その他詳細な状況については調査中で、再発防止策とシステムの復旧に向けて作業を行っているという。
同サイトが運用を停止してから1週間以上が過ぎているが、被害状況など調査の結果は明らかにされていない。
文科省のサイトをめぐっては、7月27日、「再生医療の実現化プロジェクト」のWebサイトが不正アクセスを受けて改ざんされたことが明らかとなっている。この時はサイト閲覧者がウイルスに感染するおそれもあったのだが、「トップページのリンク先が書き換えられた。詳細な状況については調査中」と同日に告知があったのみで、その後調査により明らかになったはずの情報は公開されていない。また、同サイトは今も接続できない状態となっている。
文科省関連ではもう1件、国立大学財務・経営センターの管理下にあったキャンパスイノベーションセンターのサイトが9月2日に不正サクセスを受け、Poste Italiane(イタリア郵便)のフィッシングサイトが設置されていたという事実がある。翌3日、フィッシングサイトにも、キャンパスイノベーションセンターのサイト自体にも接続ができない状態となったが、この件に関する告知はなされていない。
国立大学財務・経営センターでは今年3月末日でキャンパスイノベーションセンターの管理と運営を終了しているため、管理が行き届かない状態で放置されていたサイトが攻撃を受けたものとみられる。同サイトのドメインは、政府機関が利用する「go.jp」。告知が一切ないことには疑問を感じる。
(2009/10/16 ネットセキュリティニュース)
■ライフサイエンスの広場(文部科学省)
http://www.lifescience.mext.go.jp/
■「ライフサイエンスの広場」Webサーバーへの不正プログラムの埋め込みについて(科学技術振興機構)
http://www.jst.go.jp/pr/info/info678/index.html
■再生医療の実現化プロジェクトのWeb改ざんについて(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/07/1282440.htm
■国立大学財務・経営センター
http://www.zam.go.jp/
■キャンパスイノベーションセンター(閉鎖中)
http://www.cic.zam.go.jp/