東京都生活文化スポーツ局は19日、出会い系サイト内で「芸能人の悩みを聞いてほしい」「病気なので励ましてほしい」などと言葉巧みに誘い、頻繁にメールのやりとりをさせて高額な利用料金を支払わせる手口が横行しているとして、注意を呼びかけた。
都の消費生活相談窓口には、毎月150件前後の相談が寄せられており、中には1千万円もの高額な被害も発生しているという。
・「相談にのってあげて」~約200万円も費やした女性
「あなたの人柄が気に入ったので、自分が担当する芸能人の相談にのってほしい」。自分が公開しているブログで、有名芸能人のマネージャーを名乗る人物からそんな話を持ちかけられた20代の女性は、紹介された出会い系サイトに登録。「芸能人のプライベートメールアドレスは直接会ったときに教える」「サイトの利用料金も後日謝礼として支払う」と伝えられ、出会い系サイト内で頻繁にメールのやり取りをした。女性は約200万円もの利用料金を支払ったが、芸能人とは結局会えず謝礼ももらえなかった。
・「悩みを聞いて」~約70万円を支払った60代女性
有名ミュージシャンを名乗る人物から「悩みを聞いてほしい」と持ちかけられ、信じてアクセスしてしまった60代の女性も、おかしいと気づくまでに約70万円を支払うことに。
・「余命か月」~約1千万円も費やした50代男性
「病気で心臓移植が必要だ」という若い女性と知り合い、メールのやり取りを始めた50代の男性は、「余命か月」などと言われてかわいそうになり、約1千万円もの大金を費やして励ましのメールをやり取りし続けてしまった。
出会い系サイトの多くは、1ポイント10円換算のポイント制というシステムをとっており、メールの送信や閲覧などのサイト内での個々のアクションに対し、お金がかかる仕組みになっている。悪質な業者は、いわゆる「サクラ」を仕込み、あの手この手を使って会員にポイントを使わせるように仕向け、大金を巻き上げようとする。
都は、出会い系サイトは匿名性が高いため「嘘」や「なりすまし」が容易であり、被害にあっても立証は難しくお金を取り戻すことは困難だとし、出会い系サイトの課金システムに注意するよう呼び掛けている。
この他にも、無料のゲームサイトや懸賞サイトに登録したところ、登録した覚えのない出会い系サイトから「後払い精算料金が発生しているので、期日までに支払わないと訪問して回収する」などという脅迫めいたメールが届くようになったとの相談も後を絶たず、都は、おかしい思ったら最寄りの消費生活センターに、脅しを受けた場合にはすぐに警察署に相談するよう呼び掛けている。
(2009/11/25 ネットセキュリティニュース)
■緊急消費者被害情報 出会い系サイト内悪質手口に注意(東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2009/11/20jbj700.htm
■STOP架空請求
http://www.anzen.metro.tokyo.jp/net/