国民生活センターは3日、ワンクリック請求の手口が多様化・巧妙化していることに注意を呼び掛けた。
ワンクリック請求というと、アダルトサイトを閲覧していた男性が被害にあうというイメージを持たれがちだ。しかし、今年4月から9月まで同センターに寄せられた相談内容をみると、誘い込む手口は多様化している。無料占いサイト、ゲーム、アニメ、無料小説サイトなどを閲覧していたところ、意図せずにアダルトサイトや出会い系サイトに接続してしまい、料金を請求されるという事例がみられ、女性や未成年者からの相談も少なくない。
同センターや各地の消費生活センターには、ワンクリック請求の相談が毎月3000件前後寄せられている。いくつか相談事例をみてみると。
【相談事例】
・女子高校生が携帯電話で無料小説を読むために会員登録をしたところ、2万9000円を請求された。
・男子小学生がパソコンの無料ゲームで遊んでいたところ、アダルトサイトにつながり、何かのボタンをクリックしてしまったようで入会となってしまった。パソコンに請求画面が表示されるようになり、記載されていた業者に母親が電話したところ、5万8000円を請求された。
・女子高校生が携帯電話の無料占いサイトに登録したところ、同時に出会い系サイトにも登録されたようで、メールが送られてきた。そのサイトにアクセスしたら、3000円を請求された。
・30歳代男性が携帯電話で無料の競馬情報サイトに登録し、何度か閲覧したところ、利用料金6000円を請求された。また、出会い系サイトからメールが頻繁に届くようになった。
・女子中学生が携帯電話を使い、無料で音楽をダウンロードできるというサイトで会員登録をしたところ、メールが届き、登録料5万円を請求された。
ワンクリック請求のきっかけとなったサイトとしては、上記のほかに芸能情報サイトや、着信音とアニメの無料サイト、デコメールサイト、プロフサイト、懸賞金サイトなどが挙げられており、勧誘手口が多様化していることが分かる。
これらのサイトでは、「無料」と誤解させる、年齢認証ボタンを押しただけで登録となる、「不正アクセスの被害届を出す、調査をして取りたてを行う」などと不安をあおって請求を行うといったテクニックが使われている。
国民生活センターでは、消費者へのアドバイスとして、不用意にアクセスしたりクリックしたりしないこと、慌てて業者に連絡しないこと、利用料金の請求を受けても言われるままに支払わないこと、未成年者は家族に相談すること、トラブルにあったらすぐに最寄りの消費生活センターに相談することを挙げている。
(2009/12/08 ネットセキュリティニュース)
■手口が多様化・巧妙化しているワンクリック請求(インターネットをめぐる消費者トラブル ♯1)(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20091203_1.html
■報告書本文[PDF](国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20091203_1_1.pdf
■インターネットをめぐる消費者トラブルについて[PDF](国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20091203_1_2.pdf