警察庁は18日、2009年1年間における出会い系サイト関連事件の検挙状況を発表した。
発表によると、出会い系サイトに関係した事件として警察が検挙した総件数は、前年比約2割減の1203件だった。特徴的なのは、このうちの628件が、児童福祉法違反、青少年保護育成条例違反、児童買春・児童ポルノ法違反など、児童(18歳未満)への性犯罪に関する事件だったことだ。
検挙数だけではなく、被害者数でも、児童が性犯罪に巻き込まれている様子が目立つ。たとえば、出会い系サイトを利用して犯罪被害にあった総数は548人だが、このうち約8割相当の453人が児童だった。これら被害児童の9割以上が携帯電話で出会い系サイトにアクセスしていたという。
昨年に続き、出会い系サイトでの児童による誘引(誘いかけ)が増加している。誘引行為での検挙件数は348件(前年比-19件)あるが、このうち児童による誘引は222件と6割以上に及ぶ。2008年は119件、2007年は61件だったので、毎年50%以上の割合で増加していることになる。
また、非出会い系サイトでの被害件数の増加も注目される。出会い系サイト利用の被害児童数は前年と比べて37.4%減少しているが、非出会い系サイトを利用して被害にあった児童数は1136人。前年比で43.4%も増加している。このところ非出会い系サイトが児童を巻き込む性犯罪の温床になっている傾向があると指摘されていたが、それを実証する結果となった。
警察庁では児童の被害を予防するために、児童の利用禁止を明示していない6サイト、児童でないことの確認義務を怠った176サイトに行政処分の事前警告を行った。これら182サイトのうち6サイトがすでに閉鎖され、152サイトが指導に応じて是正した。だが、24サイトは今なお指導継続中だという。
今後の対策としては、フィルタリングの普及啓蒙活動を強化するとともに、児童の被害が多発している非出会い系サイトの事業者に対して自主規制するよう指導するとしている。
(2010/02/19 ネットセキュリティニュース)
■ 平成21年中のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h21/pdf52.pdf