東京都は1日、「儲かる」「月万円稼げる」などと広告し、簡単な業務で月収数十万円が確実に得られるなどと告げて高額なドロップシッピングサービス契約を締結させていた都内の事業者2社に対し、特定商取引法に基づき、9か月間の業務停止命令を出した。都によると、ドロップシッピングサービス事業者に対して特定商取引法による処分を行うのは全国で初めて。
今回処分を受けたのは、「ネット」(東京都千代田区)と「バイオインターナショナル」(東京都豊島区)。都によると、2社はホームページに「リスクゼロでネットショップを設立でき、月に数十万円を稼ぐことができるドロップシッピング」などと記載。連絡してきた人に、1日に1回15分程度、注文の受付、入金確認等の業務を行うだけで確実に利益が出るなどと告げて高額の契約を結ばせていた。しかし実際は、ほとんど売り上げがなく儲からない状態だった。
都には、2社に関する相談が2008年度以降、55件寄せられており、相談者の平均契約額は「ネット」で120万円、「バイオインターナショナル」では86万円。中には300万円の契約を結んだ人もいた。2社をめぐっては、立入調査等を拒否したとして昨年12月、都が社名を公表していた。
ドロップシッピングとはネットショップの運営方法の一つで、オーナーはメーカーや卸売業者と契約を結び、商品の在庫を持たずにネットショップを開設。顧客から注文を受けると、その情報をメーカーや卸売業者に転送して、商品を注文者へ直送させる。商品の小売価格と卸価格の差額分が、ショップオーナーの利益となる仕組み。
都では、ホームページを持っている人に商品直送等のサービスを無料で提供している事業者もあるとし、ドロップシッピングを始める際は慎重な選択が必要だとしている。
(2010/03/09 ネットセキュリティニュース)
■ 誰でも簡単に高収入が得られると誘って高額な契約をさせる ドロップシッピングサービス事業者2社に全国で初めて業務停止命令(9か月)(東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/03/20k31300.htm
■ 相談事例(東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/03/20k31301.htm