東京都生活文化局は19日、都消費生活総合センターに寄せられる相談で、アダルトサイトにアクセスしたところ、利用料金請求画面が表示されたままで消えないという事例が増えているとして、注意を呼びかけた。
アクセスしているサイトでいきなり料金請求の画面が表示されるというのは架空請求の手口のひとつで、いわゆるワンクリック詐欺だ。このような不当な請求は無視するに限るが、最近はユーザーのパソコンにウイルスを感染させて請求画面が消えないようにし、心理的に追いつめて支払わせようとする手口が増えているという。
主な被害事例は次のとおりだ。
・未成年者がゲームサイトから誘導されて
中学生がゲームの攻略サイトからアダルトサイトに誘導され、パソコン起動時にアダルトサイトの登録完了画面が自動表示されるようになった。画面には、会員登録と同時に利用料金が発生しているので指定口座に振り込むようにと記載されている。
・高齢者がクリックしてしまい
アダルトサイトで何気なく年齢認証に答えて次画面で「はい」とクリックしたところ、登録完了と表示され、以来、起動時に請求画面が自動表示されるようになった。「削除する方法」をクリックすると、利用料金を支払えば消えると表示された。
・無料サイトのはずが…
アクセスしたアダルトサイトに無料画像と記載されていたのでクリックしたところ、いきなり72時間からカウントダウンする料金請求画面が表示された。全画面を確認したところ、小さな文字で3日間見放題○万円と書いてあった。
・迷惑メールをうっかり開いたら
迷惑メールを誤って開いてしまったところ、「入会ありがとう」という画面が出てきて、2日以内に登録料金2万円を支払うようにという表示を削除できない。支払いを延滞すると延滞金も加算されるとある。
都の発表によると、今年1月から7月末までに同センターに寄せられたパソコンのアダルトサイトに関する相談(947件)のうち、およそ8割強(739件)が、上記のような料金請求画面が消えないというウイルス感染に関連した相談だという。
とくに7月は192件(うちウイルス感染148件)と、6月の123件(同103件)から急増している。また、7月に次いで多いのが5月で、158件(同119件)となっている。夏休みやゴールデンウイークなど、休日が多いことと無縁ではあるまい。無料と表示されたゲームやアニメなどのサイトでも、次々と誘導して利用料金を請求する悪質なケースがあるので、夏休み中の未成年者のパソコン利用は慎重にと呼びかけている。
そのほかに都は、基本的な予防策として信頼できないサイトにはアクセスしないこと、登録した覚えのないサイトの事業者には連絡しないこと、この種の不当な請求には支払いの必要がないことなどをアドバイスしている。
また、ウイルスに感染してしまった場合の復旧方法については、情報処理推進機構
(IPA)が紹介する方法を参照するように促している。
なお、使った覚えのない有料サイトの利用料などを請求してくる「架空・不当請求」に対して、消費者被害の未然・拡大防止を図るため、都は「架空・不当請求業者一覧」を公表している。18日に新たなリストが追加されているので参照されたい。
(2010/08/23 ネットセキュリティニュース)
■東京都の関連URL
・緊急消費者被害情報 無料アダルトサイト等から誘導されるサイトでの架空請求にご注意!! 不正プログラムをダウンロードさせるケースが増加
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/08/20k8j300.htm
・STOP!架空請求!
http://www.anzen.metro.tokyo.jp/net/
・この事業者に注意!
http://www.anzen.metro.tokyo.jp/net/attention.html
■IPAの呼びかけ(感染パソコンの復旧方法、予防対策や手口など)
・【注意喚起】ワンクリック請求に関する相談急増!
パソコン利用者にとっての対策は、まずは手口を知ることから!(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/topics/alert20080909.html