コンピューター周辺機器を製造するバッファロー(本社:愛知県名古屋市)は10日、ポータブルWi-Fiルーター「DWR-PG」(愛称 ポータブルWi-Fi/Portable Wi-Fi)の一部にウイルスが混入していたと発表した。また、同製品のOEM機を「光ポータブル」の名称でレンタル提供しているNTT東日本も同日、情報を公開した。
両社によると、ウイルスが混入した機器をUSB接続した場合、パソコンがウイルスに感染するおそれがある。混入したのは、USBメモリーなどリムーバルメディアを介して感染する、オートランを悪用するタイプのウイルス。DWR-PG/光ポータブルには microSDカードを装着することができ、カードを装着した状態で、パソコンにUSBケーブルを使って接続すると、USBストレージ(USB接続のリムーバブルメディア)としても利用できる。このため、ウイルスが混入したり、接続した機器を感染させたりといった事態となった。
両社は、無線LANや有線LANケーブルで接続している場合は、機器にウイルスが混入していても、パソコンに感染することはないとしている。
ウイルスは、パソコン内からオンラインゲームのアカウント情報等を盗み取ろうとするもので、WORM_VB.DVP(トレンドマイクロ名)、Infostealer.Lineage(シマンテック名)、Generic PWS.g(マカフィー名)などの名称で検出される。
NTT東日本によると、製造過程で抜取検査を行う際に使用した検査用PC端末の一部がウイルスに感染していたため、検査を行った機器の一部にウイルスが混入した。光ポータブルについては、同社が8月3日から9月10日に発送したうちの一部、約160台にウイルスが混入したという。
【ユーザーの対処方法】
DWR-PG/光ポータブルを持っている場合、それぞれのホームページにおいて、手元の機器が対象品であるかどうかをシリアルナンバーで確認できる。DWR-PG/光ポータブル内のウイルスは、同機器を初期化することにより駆除できる。初期化の方法はホームページに掲載されている。また、ウイルスが混入した機器をUSB接続していた場合は、パソコンに加え、USBメモリー、MP3プレイヤーなど、パソコンに接続したすべてのUSB機器でウイルスチェックを行う必要がある。
なお、NTT東日本では、確認対象機器を利用している顧客については、電子メールやダイレクトメール等で個別に通知を行うとともに、必要な場合は訪問して対処するとしている。
(2010/09/13 ネットセキュリティニュース)
■データ通信機能内蔵ポータブルWi-Fiルーター「DWR-PG」(ポータブルWi-Fi) ウ
イルス混入に関するお詫びとご案内(バッファロー)
http://buffalo.jp/products/new/2010/001209.html
■DWR-PG 不具合のお知らせとお詫び(バッファロー)
http://buffalo.jp/support_s/dwr-pg/
■モバイルWi-Fiルータ「光ポータブル」の一部へのウイルス混入について(NTT東
日本)
http://web116.jp/ced/support/news/contents/2010/20100910.html
■バッファロー社製ポータブルWi-Fi「DWR-PG」をご利用のお客様へ(ドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/page/100910_00_m.html
■ウイルス情報
・WORM_VB.DVP(トレンドマイクロ)
http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=WORM_VB.DVP
・Infostealer.Lineage(シマンテック)
http://www.symantec.com/ja/jp/security_response/writeup.jsp?docid=2005-011211-3355-99
・Generic PWS.g(マカフィー)
http://216.49.88.12/japan/security/virG2004.asp?v=Generic%20PWS.g