東京都は7日、ダイエット食品等について、Webサイト上に不当な表示を行って販売していたドロップシッピングサービス事業者に対し、不当景品類及び不当表示防止法(以下、景品表示法)に基づき、表示の改善を指示した。
改善指示の対象となったのは株式会社もしも(東京都渋谷区)で、同社は都の再三の注意にもかかわらず、自社および傘下のドロップシッパー(登録会員)の通販サイトで、ダイエット食品など24商品について不当表示を行っていたという。
●「ドロップシッピング」とは
ドロップシッピングとは、メーカーやドロップシッピングサービス事業者(以下、仲介業者)と代理店契約をし、在庫を持たずにネットショップを開設し、自ら売主になって販売すること。顧客から注文を受けると、注文情報をメーカー等に転送し、商品をメーカー等から直送させる。このシステムを利用してネットショップを運営する個人・法人を「ドロップシッパー」と呼んでいる。ドロップシッパーは仲介業者と高額な契約を結んでWebサイトを開設しても収入にならないとしてトラブルになることも多く、国民生活センターなどが注意を喚起している。
もしも社傘下のドロップシッパーは30万にのぼるとされる。同社はドロップシッピングに関し「顧客から商品購入申込みがあった場合に成立する売買契約は、顧客と当社との間に成立するものとする」という規約を設けており、ドロップシッパーのサイトにおいても、同社が販売者として表示に責任を持つ。
●問題となった不当表示
景品表示法の「優良誤認」にあたる例として、「レースクイーンが15キログラムもDOWN」「2週間以上使うとガリガリ状態に」などと、実際より著しい効果があるようにうたっていた。同法の「有利誤認」にあたる例としては、希望小売価格9,334円のところ特価1,980円(税込2,079円)、通常価格24,000円のところ特別価格63%OFFなどと、根拠のない希望小売価格等を表示し、実際よりもお買得とみせかけていた。
都はこれらの法に抵触する表示について修正を求め、今後は一般消費者に誤認されるおそれのある表示を行わないこと、そのために必要な措置を講じ、役員や従業員に周知することを求めた。同社は指示内容に対する改善措置について、今月22日までに文書で報告しなければならない。
今回の改善指示は、都のインターネット広告表示監視事業(年間2万件のインターネット上の広告を継続的に監視)等により発見された不当表示に対して行われた。都によると、インターネット広告は科学的根拠があるかのように効能・効果をうたっていても、裏づけは乏しく、表示の根拠を説明できない事例が多いという。都は消費者に対し、表示内容をうのみにせず、多角的に情報を収集するなど十分に検討して商品を選択するよう呼びかけている。
(2010/09/08 ネットセキュリティニュース)
■東京都のリリース
・ドロップシッピングサービス事業者に表示の改善を指示
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/09/20k97200.htm
・改善指示の対象となった表示内容の例
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/09/20k97201.htm
■もしもドロップシッピング
http://www.moshimo.com/