ファイル共有ソフトを介した情報流出が2件、明らかとなった。神奈川県警の給与システム開発に関する会議の記録がWinny(ウィニー)のネットワーク上に流出したほか、不動産管理会社からは、約20万件という大量の顧客情報が流出している。
ファイル共有ソフトを介した情報流出をめぐる報道は、2006年をピークに減少の一途をたどっている。しかし、流出事故は今もあちらこちらで繰り返されている。ファイル共有ソフトの怖さについては下記の「関連記事:トピックス」にまとめてあるので、ぜひご覧いただきたい。
■神奈川県警、業務委託先から会議録が流出
神奈川県警の給与管理システム開発に関する会議の記録が、Winnyのネットワーク上に流出したことが5日、わかった。流出元は、同システムの開発を委託されていた日本IBM(本社:東京都中央区)の下請け業者とみられている。
県警によると、流出したのは2003年12月の会議録。下請け業者が作成したもので、業者の個人パソコンがウイルスに感染したため、情報が流出したという。
この件については4日、流出の事実がネット掲示板上で指摘されていた。
なお、2008年11月に、神奈川県立高校の2006年度における全生徒約11万人の個人情報がWinnyを介して流出しているが、この件にも日本IBMが関わっている。こちらは同県の授業料徴収システムに関連した流出事故だが、同社がシステムの開発を受託、業務孫請け会社社員のパソコンが流出元だった。
・神奈川県警
http://www.police.pref.kanagawa.jp/
・日本IBM
http://www.ibm.com/jp/ja/
■リロ・ホールディング、顧客情報約20万件が流出
不動産管理等を行うリロ・ホールディング(本社:東京都新宿区)と、同社子会社で借り上げ社宅の管理業務を行うリロケーション・ジャパン(本社:東京都新宿区)は9月22日、リロケーション・ジャパンの顧客情報約20万件がファイル共有ソフトを介してネット上に流出したと発表した。
発表によると、流出したのは、賃貸物件所有者の氏名、住所など6万5534件分と、物件入居者の氏名や住所など12万9598件分。
流出元、流出経路については調査中で、調査によって判明した事実や再発防止策などについては随時報告するとしている。両社は流出の事実を8月25日に確認していたが、情報の拡散と二次被害の発生を防止するため公表を控えていたという。
・お客様情報の流出に関するお知らせ[PDF](リロ・ホールディング)
http://www.relo.jp/news/pdf/20100922.pdf
・お客様情報の流出に関するお詫びとお知らせ[PDF](リロケーション・ジャパン)
http://www.relocation.jp/pdf/20100922.pdf
(2010/10/12 ネットセキュリティニュース)
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