SNSサイトやゲームサイト、プロフ(自己紹介サイト)など、出会い系サイト以外のサイトを利用したことにより児童が犯罪被害にあった事件について、警察庁は10月28日、調査分析を行った結果を公表した。
調査分析の対象は今年上半期に検挙した730件。分析によると、被害にあった児童の98.2%%が携帯電話を使ってサイトにアクセスしていた。また、98.5%の児童はフィルタリングに未加入だった。被害児童の大多数が、フィルタリングのかかっていない携帯電話でサイトにアクセスしていたことになる。ちなみに、内閣府が4月に公表した「青少年のインターネット利用環境実態調査結果」によると、フィルタリングの利用率は小学生で約6割、中学生で5割半ば、高校生で約4割となっている。
被害児童の76.5%は、保護者からサイトの利用について注意されたことがなかった。そのうち78.5%はサイトの利用について親から放任されており、16.3%はサイト利用を親に話しておらず、5.1%はゲームサイトだと親に説明していた。
容疑者の犯行動機については、児童との性交目的が69.6%と最多。次いで児童と遊ぶためが14.1%、児童のわいせつ画像収集目的が5.3%となっている。
分析対象の730件のうち、50.3%にあたる367件では、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)が「健全な運用管理体制を整備している」と認定したサイトがきっかけとなって被害が発生していた。EMAの認定を受けたサイトは、フィルタリングの対象外となり、フィルタリングのかかった携帯電話からでもアクセスすることができる。
(2010/11/08 ネットセキュリティニュース)
■非出会い系サイトに起因する児童被害の事犯に係る調査分析について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h22/H22deai-bunseki.pdf
■青少年のインターネット利用環境実態調査結果について[PDF](内閣府)
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h21/net-jittai/pdf/kekka.pdf
■認定サイト一覧/全32サイト(2010年10月29日現在)(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)
http://www.ema.or.jp/evaluation/community/index.html