厚生労働省と千葉県、神奈川県、大阪府、浜松市は20日、インターネットで販売されている健康食品から、健康被害を起こすおそれのある国内未承認の医薬品成分が検出されたと発表した。
各自治体は健康被害を未然に防ぐために、店頭やインターネットで流通している健康食品を購入し、内容成分などの検査を行っている。その一連の検査の中で、インターネットで販売されている健康食品「スーパーエックス」から医薬品成分が検出されたという。
検出されたのは、体内に入ると「メチソシルデナフィル」となるもので、国内では未承認の医薬品成分だ。頭痛、ほてり、動悸などの副作用を伴う医薬品(販売名:バイアグラ錠)に用いられている医薬品成分「シルデナフィル」と化学構造が類似しているため、同様の症状が起こることが懸念されている。
とくに高血圧や狭心症などの治療薬を服用している人が用いると、過度に血圧を降下させることがあるので注意が必要だ。各自治体とも当該製品による健康被害の報告はまだないとしているが、健康被害を起こす可能性があるため直ちに使用を中止するよう、また健康被害が疑われる場合には速やかに医療機関を受診するよう呼びかけている。
なお、医薬品成分を含むものは健康食品ではなく医薬品とみなされるため、厚生労働大臣の承認および許可を受けずに製造販売することは薬事法で禁止されている。医薬品成分を検出した「スーパーエックス」には薬事法違反の疑いがあるとして、厚労省と各自治体は輸入業者「永美ワールド」(東京都中野区)を所管する東京都に通報したという。
(2010/12/24 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・医薬品成分を含有するいわゆる健康食品の発見について(千葉県)
http://www.pref.chiba.lg.jp/yakumu/press/221220ihoudrug.html
・いわゆる健康食品からの新規医薬品成分の検出について(神奈川)
http://www.pref.kanagawa.jp/press/1012/049/index.html
・医薬品成分が検出された健康食品について(大阪府)
http://www.pref.osaka.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=5683
・医薬品成分が検出されたいわゆる健康食品について(浜松市)
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/lifeindex/life/food/safy/shoku_kouiki/221220.htm
・医薬品成分(シルデナフィル及び類似成分)が検出されたいわゆる健康食品について
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/diet/other/050623-1.html(厚生労働省)