「絶対に儲かる競馬情報がある」などと勧誘し、高額な情報料をだまし取る悪質な「競馬予想情報提供サービス」に関する相談が増えているとして、国民生活センターが注意を呼びかけている。
JRA(日本中央競馬会)もホームページ上で「悪質な予想・情報提供業者(高額な情報料・過大広告等)にご注意ください!」と注意を喚起しているが、相談が増加しているため、同センターはJRAに対し、消費者へのさらなる注意喚起を要望したという。
■相談件数は右肩上がり、被害金額は「平均89万3000円」
同センターによると、優勝馬の予想情報を有料提供する「競馬予想情報サービス」に関する相談件数がこの5年間、右肩上がりで増えている。とくに2010年度は12月時点で1667件を数え、前年同期(896件)の2倍近い。過去5年間で最多だった2009年度(1年間で1711件)を上回るペースだ。
2005年度から2010年度までの相談件数の合計は7557件。情報を得るために支払った金額は10~50万円未満が1514件と最も多いが、平均金額は約89万3000円と高額だ。支払い形態は76.7%が現金で、情報を購入するようになったきっかけはほとんどが通信販売と電話勧誘によるという。
■「絶対に儲かる」と誘い、借金や「クレジットカード現金化」促す
無料あるいは低額だからと安易に競馬予想情報サービスに申し込むと、「必ず当たる」などと言葉巧みに勧誘され、高額な情報料を支払うというパターンが多くみられる。とくに目立つのが、「『八百長レース』を仕組んであるので、情報を買わないか」といった詐欺まがいの話を持ちかけるケースだ。「情報料が高い」「支払う金がない」と言えば、借金を促したり、クレジットカード現金化を勧める悪徳業者もいる。クレジットカード現金化はカードで買ったものを換金して現金を得る方法だが、カードのショッピング枠を利用して高利の借金をするようなシステムであり、社会問題化している。同センターは次のような事例を紹介している。
・相談事例:「デキレース」で誘い、貸金業者紹介
知らない業者から届いたメールに誘われ競馬情報サイトにアクセスした50代の男性は、無料情報に申し込みをしたところ、「『デキレース』という着順を話し合いで決めるレースがあり、情報料を払えば着順を教える」と業者から電話で勧誘された。金がないと伝えると「貸金業者で借りればいい」と促され、105万円を借りて業者に振り込んだ。受け取った情報を元にして買った馬券はまったく当たらなかった。
・相談事例:JRAの名を出し信用させる
20代の女性はインターネットの競馬情報サイトに登録し、情報入手に1万円を払ったところ、「18万円払えば、230万馬券の情報を提供する。八百長まがいのレースだが、JRAも認めているので問題ない」と勧誘され、情報料を振り込んだ。馬券は当たらなかった。
言うまでもないことだが、八百長やデキレースは犯罪行為であり、JRAが認めることなどありえない。甘言に釣られるのは犯罪に加担することに等しい。借金してまで情報料を支払い、だまされたことに気づいて返金を望んでも、業者は応じなかったり連絡がとれなくなったりすることが多く、返金の可能性は極めて低い。甘言に釣られることがないよう、十分注意していただきたい。
(2011/01/18 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・不当な勧誘で誘う「競馬予想情報提供サービス」に注意
-「絶対儲かる」「八百長レース」「デキレース」などのセールストークに惑わされないこと-
・発表情報(概要)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110113_1.html
・PDFファイル(詳細)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20110113_1.pdf
【関連URL:JRA】
・悪質な予想・情報提供業者(高額な情報料・過大広告等)にご注意ください!
http://www.jra.go.jp/news/informations/index.html#0