京都府警ハイテク犯罪対策室などは17日、出会い系サイトの広告宣伝を行うメールを配信したユニバーサルフリークス(UNIVERSAL FREAKS:東京都豊島区)の代表取締役社長の男(36歳)ら7人を、特定電子メール法違反容疑で逮捕した。府警の調べでは、容疑者らは昨年10月3日、自社が運営する出会い系サイトの広告宣伝を行うメールを、架空のメールアドレスを使い不特定多数に配信した疑い。
一部報道によれば、同社は「和み庵」「ラブポイズン」などの出会い系サイトを運営していたとあり、フィリピンのサーバーを拠点に運営されている出会い系サイトの運営グループのひとつが摘発されたとみられる。これらは、購入したポイントを使ってメールのやり取りなどを行うポイント制の出会い系サイトで、サクラを使ってポイントを消費させる悪質なサイトとの声も高かった。
迷惑メールの相談を受け付けている日本データ通信協会には、昨年11月までの約1年間に、のべ24万件の相談があったという。
【解説:特定電子メール法】
特定電子メール法では、受信者の許諾を得ないメールの送信禁止(第3条)、送信者の氏名などの表示義務(第4条)、メールアドレスなどの送信者情報を偽った送信禁止(第5条)、架空電子メールアドレス宛の送信禁止(第6条)が規定されており、これら違反行為は、行政処分(措置命令)の対象となる。措置命令違反および第5条違反に関しては、罰則も設けられており、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人は3000万円以下の罰金)となっている。
今回のような架空のメールアドレスを使った迷惑メールの場合には、行政処分を経ずに摘発することができるのだが、これまでに行われた行政処分や摘発は非常に少なく、日本国内のユーザーを標的にした迷惑メールでさえ一向に減る気配がない。これら迷惑メールは単に迷惑なだけではなく、その背後では悪質な出会い系や情報商材の販売といった犯罪行為が行われ、多くの人が金銭的な被害を受けている。そろそろ実のある規制に乗り出してもらいたいものだ。
<これまでの摘発>
・2011年01月 特定電子メール法違反1件・7人(京都府警)
・2010年10月 特定商取引法違反1件・3人(千葉県警)
・2008年02月 特定電子メール法違反1件・1人(警視庁)
・2007年01月 特定電子メール法違反1件・4人(千葉県警)
・2006年08月 特定電子メール法違反1件・3人(大阪府警)
・2006年05月 特定電子メール法違反1件・1人(千葉県警)
・2005年05月 有線電気通信法違反1件・1人(京都府警)
<これまでの行政処分>
・2011年01月 特定電子メール法違反(消費者庁/総務省)
・2010年12月 特定電子メール法違反(消費者庁/総務省)
・2010年10月 特定商取引法違反(消費者庁)
・2010年08月 特定電子メール法違反(総務省/消費者庁)
・2010年08月 特定商取引法違反(消費者庁)
・2010年08月 特定商取引法違反(消費者庁)
・2010年04月 特定電子メール法違反(消費者庁/総務省)
・2010年04月 特定電子メール法違反(消費者庁/総務省)
・2010年03月 特定電子メール法違反(消費者庁/総務省)
・2009年12月 特定電子メール法違反(消費者庁/総務省)
・2009年10月 特定電子メール法違反(消費者庁/総務省)
・2009年10月 特定電子メール法違反(消費者庁/総務省)
・2009年08月 特定商取引法違反(経済産業省)
・2009年06月 特定電子メール法違反(総務省)
・2009年05月 特定商取引法違反(経済産業省)
・2009年04月 特定電子メール法違反(総務省)
・2009年03月 特定商取引法違反(経済産業省)
・2009年02月 特定商取引法違反(経済産業省)
・2008年02月 特定電子メール法違反(総務省)
・2005年09月 特定電子メール法違反(総務省)
・2004年04月 特定電子メール法違反(総務省)
・2003年11月 特定電子メール法違反(総務省)
・2002年12月 特定電子メール法違反(総務省)
(2011/01/27 ネットセキュリティニュース)