警察庁は2月24日、昨年1年間の「少年非行等の概要」をとりまとめ公表した。前年に比べ減少した児童買春に対し、児童ポルノは大幅に増加し過去最悪の記録となった。
昨年1年間に全国の警察が摘発した児童買春・児童ポルノ禁止法違反事件は、前年から266件増えた2296件(前年比13.1%増)。うち、児童買春事件は、前年から141件減り954件(12.9%減)。送検人数701人(19.0%減)、被害児童数743人(16.4%減)といずれも減少した。被害児童は、最も多い高校生が323人(全体の43.5%)、次いで中学生282人(全体の38.0%)と中高生が際立っており、全体に占める両者の割合が8割を超えた。
児童ポルノ事件は、前年から407件増え1342件(43.5%増)。送検人数926人(42.5%増)、被害児童数618人(52.6%増)と、いずれも大幅に増加し、統計を取り始めた2000年以降の最多となった。
児童ポルノ事件のうち、58.3%にあたる783件がインターネットを利用したケースで、被害にあった児童は特定できただけでも618人にのぼる。被害児童は、児童買春と同様、高校生228人(36.9%)、中学生226人(36.6%)と中高生の占める割合が高いものの、低年齢層への広がりを見せており、小学生は前年の53人から93人(75.5%増)へ。未就学児童は前年の9人から33人(266.7%増)へと急増している。
出会い系サイトで性行為や金銭目的の交際を誘う書き込みを禁止した、出会い系サイト規制法違反事件も、再び増加に転じており、事件数404件(前年比16.1%増)、送検人数402人(同17.9%増)となった。
(2011/03/03 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・少年非行等の概要(平成22年1~12月)[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/shounennhikou220224.pdf