警察庁は2月24日、昨年1年間に全国の警察が摘発した生活経済犯罪をまとめた、「生活経済事犯の検挙状況」を公表した。
偽ブランド品や海賊版販売などの知的財産侵害事件は、21件減少した前年から再び増加に転じ、34件増の398件(前年比9.3%増)。36法人(20法人・35.7%減)と583人(37人・6.0%減)が送検された。前年に比べて事件数が増加し送検数が減少したのは、インターネットを利用した単独犯の摘発が増加したことが一因だという。
偽ブランド品などの商標法違反事件の摘発は320件あり、製造国が判明した押収物の92.0%が中国本土から輸入されたものだった。偽ブランド品の販売は、インターネットの利用が年々増加してきており、41.3%がインターネットオークションで、その他のネット販売11.0%を合わせた52.3%がネットを利用した販売だった。
海賊版などの著作権法違反事件の摘発は162件あり、押収物の大半は日本国内で複製されたものだった。ネットオークションの43.2%を含む77.8%がインターネットを利用しており、こちらもネット利用が年々増加している。
海賊版以外の著作権法違反事件として、ファイル共有ソフトを使った公衆送信権侵害の摘発にも力を入れており、昨年1月には、ファイル共有ソフトの利用者を監視する「P2P観測システム」の正式運用を開始。11月には一斉摘発も行い、同年中に20件を摘発した。
インターネットを利用した生活経済犯罪には、このほかにもヤミ金融や無承認医薬品販売などもあり、昨年10月からISPなどに対し、これら業者の広告の送信防止措置要請を開始。同年中にヤミ金153件、無承認医薬品販売19件の要請を行ったという。
(2011/03/03 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:警察庁】
・平成22年中における生活経済事犯の検挙状況等について[PDF]
http://www.npa.go.jp/safetylife/seikan25/h22_seikeijihan.pdf
・P2P観測システムの運用について~P2P の利用者の動向~[PDF]
http://www.npa.go.jp/pressrelease/joukai/20100204_P2P.pdf
・ファイル共有ソフトを利用した著作権法違反事件の一斉取締について[PDF]
http://www.npa.go.jp/cyber/warning/h21/091130_1.pdf