奈良県は26日、ED治療薬「シアリス」の模造品を服用した県内の40代の男性が意識障害を起こし、病院に搬送されたと発表した。
発表によると、男性は昨年6月頃、偽物とは知らずにインターネットでシアリスを個人輸入し服用。数時間後にけいれんや意識低下が起きて病院に運ばれた。男性はその後回復したが、服用による健康被害の疑いがあるという。
シアリスは、バイアグラ、レビトラに続く第3のED治療薬で、国内では2007年から医師の処方が必要な医薬品として発売されている。国内で販売されている錠剤は、5mg/10mg/20mgの3種類のみ。海外では、2.5mg錠を加えた4種類が売られているが、男性が服用したのは正規品にはない50mg錠だったという。同じ錠剤は、1月中旬に搬送され、間質性肺炎で死亡した患者宅からも見つかっている。ただし、搬送時にすでに話ができない状態だったため、患者が服用したかどうかについては不明。
ED治療薬を製造・販売している4社(ファイザー、バイエル薬品、日本イーライリリー、日本新薬)が2009年12月に行った、ネットで流通するED治療薬の鑑定調査では、個人輸入代行業者のサイトから購入した製品の約6割が偽物だったという。
偽物の中には、期待する効果が得られなかったり、成分の過剰摂取や異なる成分の混入などによる健康被害が懸念されるとして、同社や県は、個人輸入によるシアリス錠の使用に注意を呼びかけている。
(2011/04/26 ネットセキュリティニュース)
■模造医薬品による健康被害の注意喚起(奈良県)
http://www3.pref.nara.jp/hodo/dd.aspx?itemid=37443#itemid37443
■模造医薬品による健康被害に対する注意喚起について[PDF](奈良県)
http://www.pref.nara.jp/secure/64374/press230426.pdf
■個人輸入において注意すべき医薬品等について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1.html
■ED治療薬の鑑定調査結果公表「インターネットで入手したED治療薬の約6割が偽造品」[PDF](日本新薬)
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/assets/files/pdfs/ir/ns2009/021209.pdf
■EDケアサポート(日本新薬)
http://www.ed-care-support.jp/