不当な表示をめぐり、消費者庁からの措置命令が相次いでいる。ネットが関わる5件について、以下にまとめた。「優良誤認」「有利誤認」「不当な原産国表示」という用語については、消費者庁の資料を参照していただきたい。
■「K&Sトレーディング」「KUC」に措置命令、中古車の走行距離等を偽りヤフオク出品
消費者庁は8日、走行距離や修復歴を偽って中古車をヤフーオークションに出品していた中古車販売業者2社に対し、景品表示法(優良誤認)に基づき、措置命令を出した。命令を出されたのは、「K&Sトレーディング」(横浜市中区)と「KUC」(神奈川県大和市)。
同庁によると、2業者は2010年6月21日にK&S社の名義でヤフーオークションに中古車計56台を出品したが、そのうち50台以上について、走行メーターを交換するなどして走行距離を偽っていた。また、修復歴がある13台を「修復歴なし」とし、リースで使用されていた中古車について車歴欄に「自家用」と記載していた。
・株式会社K&Sトレーディングおよび有限会社KUCに対する景品表示法に基づく措置命令について[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110408premiums_1.pdf
■「ガリバー」に措置命令、支払いプランや保証制度の適用条件明示せず
消費者庁は3月28日、有利な支払いプランや保証制度について、適用条件を明示せずに広告を行った中古車大手のガリバーインターナショナル(本社:東京都千代田区)に対し、景品表示法(有利誤認)に基づき、措置命令を出した。
同庁によると、ガリバーは、テレビCMや、同社サイトなどで、「月々1900円からクルマが買える」などととして「楽のりプラン」を、また「なのに、10年保証付き」などとして「あんしん10年保証」を広告していたが、どちらも適用されるのは一部の車両のみであるにもかかわらず、全車両に適用されるかのような誤認を招くものだった。また、楽のりプランで月々の支払額を1900円に設定すると、ほかに頭金と年2回のボーナス払いが必要だった。
・株式会社ガリバーインターナショナルに対する景品表示法に基づく措置命令について[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110328premiums_1.pdf
・当社に対する措置命令に関するお詫びとご報告(ガリバーインターナショナル)
http://www2.glv.co.jp/press/2011/0328/post-2019.html
■「ユナイテッドアローズ」に措置命令、衣料品などの原産国表示に誤り
消費者庁は3月24日、Tシャツやバッグ、アクセサリーなど38商品について、実際とは異なる原産国をタグやWebサイト上に表示して販売していたユナイテッドアローズ(本社:東京都渋谷区)に対し、景品表示法(不当な原産国表示)に基づき、措置命令を出した。
同庁によると、2006年10月から2010年8月までの期間に、直営店舗や自社Webサイト、他社運営Webサイトで販売していた該当38商品について、イタリア製の商品がフランス製、ドイツ製がイタリア製、中国製が日本製、日本製が中国製などと商品タグやサイト上で表示されており、原産国を判別することが困難となっていた。
・株式会社ユナイテッドアローズに対する景品表示法に基づく措置命令について[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110324premiums_1.pdf
・お詫びとお知らせ:原産国の誤表記に関わるお詫びとお知らせ(ユナイテッドアローズ)
http://www.united-arrows.co.jp/info/2011/03/000679.html
■「バークジャパン」に措置命令、牛脂注入肉を「霜降ステーキ」等と偽表示
消費者庁は3月4日、牛脂注入肉を「霜降ステーキ」、内臓肉の貼り合わせを「健康ステーキ」と表示して販売していたとして、ステーキ店「アメリカンステーキ ミスター・バーク」を運営するバークジャパン(岡山市南区)に対し、景品表示法(優良誤認)に基づき、措置命令を出した。
同庁によると、同社は2005年頃から、店内メニュー、自社Webサイト上のメニュー、新聞折り込みチラシにおいて、このような表示を行っていた。実際には、「霜降ステーキ」とされていた牛肉は牛脂を注入する加工を行ったもので、「健康ステーキ」とされていたのは、牛の横隔膜の肉(ハラミ)を食用のりで貼り合わせたものだった。
・株式会社バークジャパンに対する景品表示法に基づく措置命令について[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110304premiums_1s.pdf
・料理名表示についてお詫びとお知らせ[PDF](バークジャパン)
http://www.mr-b.jp/information.pd
■「シンワオックス」に措置命令、通販の焼き肉セットで等級を偽表示
消費者庁は3月3日、通信販売業者を通じて販売した焼き肉セットについて、実際とは異なる等級を表示したとして、食肉加工会社シンワオックス(本社:大阪市住之江区)に対し、景品表示法(優良誤認)に基づき、措置命令を出した。
同庁によると、同社は2009年7月頃から同年12月頃までの間、通信販売業者のカタログとWebサイトおよび、該当商品に同封した説明書において、A4またはA5等級の格付けがされた牛肉のみを使用している旨を表示していたが、実際は、牛肉の大部分がそれ以外の等級のものだった。
・シンワオックス株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110303premiums_1.pdf
・行政処分(措置命令)に関するお知らせ[PDF](シンワオックス)
http://www.shinwa-ox.com/contents/c-news/pdf/110303.pdf
(2011/04/15 ネットセキュリティニュース)
【参考資料:消費者庁】
・優良誤認とは
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/yuryo.html
・有利誤認とは
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/yuri.html
・商品の原産国に関する不当な表示
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/hyoji/kokujigensan.html