総務省と消費者庁は9日までに、特定電子メール法（特定電子メールの送信の適正化等に関する法律）に違反し、自社が運営する出会い系サイトの広告宣伝メールを配信していたとして、出会い系サイト業者2社に対し行政処分を行った。
■オプトイン規制違反：出会い系サイト「マイストーリー」運営社
出会い系サイト「マイストーリー」を運営するシックスエストレラ（東京都渋谷区）に対し、両省庁は特定電子メール法に基づき、4月27日付で措置命令を行った。
発表によると、同社は運営サイトに関する広告宣伝メールを、少なくとも2010年12月21日から今年4月17日までの間、受信者の同意を得ずに発信したという。これは特定電子メール法のオプトイン規制違反（同法第3 条第1項）にあたる。迷惑メールの相談を受け付けている日本データ通信協会には、同社が発信した広告宣伝メールについて、121人からのべ2719件の相談が寄せられたという。
・株式会社シックスエストレラに対する特定電子メール法違反に係る措置命令の実施（総務省）
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_01000027.html
・株式会社シックスエストレラに対する特定電子メール法違反に係る措置命令の実施[PDF]（消費者庁）
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110427premiums_1.pdf
■オプトイン規制および法事義務違反：出会い系サイト「カジュアル」運営社
出会い系サイト「カジュアル」を運営するノブロ（東京都世田谷区）に対し、両省庁は特定電子メール法に基づき、5月9日付で措置命令を行った。
発表によると、同社は運営サイトに関する広告宣伝メールを、少なくとも2010年9月1日から今年4月17日までの間、受信者の同意を得ずに発信したという。また、これらの広告宣伝メールにおいて、送信者の氏名を表示していなかった。前者は特定電子メール法のオプトイン規制違反（同法第3 条第1項）にあたり、後者は特定電子メールには送信者名と受信拒否を受け付けるメールアドレスを表示するという表示義務（同法第4条）に違反している。日本データ通信協会には、同社が発信した広告宣伝メールについて、380人からのべ5149件の相談が寄せられていた。
・株式会社ノブロに対する特定電子メール法違反に係る措置命令の実施［PDF］（総務省）
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_01000026.html
・株式会社ノブロに対する特定電子メール法違反に係る措置命令の実施［PDF］（消費者庁）
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110509premiums_1.pdf
●迷惑メール対策：特定電子メール法と相談窓口
行政処分を受けた2社はいずれも特定電子メール法の「オプトイン規制」に違反している。これは、大量に送られてくる広告宣伝を目的としたいわゆる迷惑メールを規制するもので、消費者からの請求や承諾がない限り、広告メールを送ってはならないと特定電子メール法に定めている。なお、日本データ通信協会は、こうした迷惑メールについての相談や違反情報を受け付ける迷惑メール相談センターを開設している。
・迷惑メール相談センター（日本データ通信協会）
http://www.dekyo.or.jp/soudan/index.html
（2011/05/17 ネットセキュリティニュース）