埼玉県警大宮警察署およびサイバー犯罪対策課は11日、動画共有サイト「YouTube」に人気アイドルグループ「嵐」の映像を無断で投稿していた福岡県在住の会社員の男性(51歳)を著作権法違反の疑いで逮捕した。
容疑は、2010年11月22日から今年2月5日までの間、「嵐」が出演しているコンサートDVDやバラエティ番組の録画映像などをYouTubeに投稿し、著作権(公衆送信)を侵害した疑い。
日本レコード協会(RIAJ)によると、同協会からYouTube運営事業者へ要請して何度も投稿動画が削除されたが、容疑者は違法行為を繰り返していたという。そのため同協会が大宮警察署およびサイバー犯罪対策課に捜査を依頼し、今回の逮捕につながった。
逮捕された男性の違法投稿には「よろしければホームページも一度訪問して下さい」「まだまだホームページにはたくさんの動画をご用意しています。是非一度ご訪問して下さい」などのコメントが付記されており、自分が運営しているホームページに誘導していた。
ホームページは2008年に開設したもので、フリー画像や動画素材集のほかに「嵐」や「Hey!Say!JUMP」などの動画も掲載されている。トップページには「毎日毎日どうしたら訪問数が伸びるんだろうと思って悪戦苦闘しています」というコメントが記載されていることから、アクセス数増加に腐心していることがうかがえる。また、「このページに貼っています広告はクリックしただけで金品の請求は一切ありません。気に入った広告があれば安心してご覧下さい」と、バナー広告をクリックするよう促すコメントも記されている。
警察の調べによると、動機は小遣い欲しさだという。人気アイドルの動画でホームページへのアクセス数を増やし、バナー広告のアフィリエイト収入増をもくろんでいたとみられる。
なお、YouTubeへの投稿が著作権侵害として逮捕された例は、昨年6月、人気漫画の違法投稿をした中学生が京都府警に逮捕された一件がある。しかし、大宮署によれば動画での摘発は今回が全国で初めてという。
(2011/05/19 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・動画共有サイトに市販DVDの映像をアップロードしていた被疑者逮捕(RIAJ)
http://www.riaj.or.jp/release/2011/pr110512.html