東京都は20日、ネット通販サイトで根拠なく放射性物資対策をうたっていた通信販売事業者に対し、不当な広告・表示を改善するよう指導したと発表した。
福島第一原子力発電所の事故発生以来、放射性物質や放射線被曝などに対する消費者の関心や不安が日増しに高まっている。これに対し、インターネット上の通信販売サイトでも、さまざまな放射性物質対策商品が見られるようになった。
都がインターネット広告・表示監視事業の一環として、5月に家庭用の放射性物質対策商品に関する調査を実施したところ、不当表示につながるおそれのある広告・表示58件(53事業者)が見つかった。
問題となった商品の内訳と広告・表示の例は以下の通り。
・浄水器 36件 :「放射性物質を完全に除去できる」など。
・健康食品 9件 :「昆布に多く含まれるヨウ素は、体内に入る放射能を体外に排出する効果があります」など。
・放射線測定器 5件:「『米国保健物理学会』で承認済み」など。
・メガネ・防御服など 8件:「放射線・放射能・輻射を防ぐメガネ」など。
都の調査によると、いずれも販売事業者はこれらの効能を確認できるような合理的な根拠となる資料を保有していなかったので、広告・表示を改善するように指導したという。また、販売事業者に対し、放射性物質や放射線被爆などに対する消費者の不安に乗じるような広告・表示を行わないように求めている。
なお、インターネット広告では、科学的な根拠があるかのように効能・効果をうたっていても、実際には裏づけとなる客観的事実が乏しく、販売事業者が表示の根拠を説明できない事例が多く見られる。そのため都は、消費者に対しても、広告内容をうのみにせず、多角的な情報収集に努め、よく検討をするようにと、ネット通販利用に際しての注意を促している。
(2011/07/21 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
緊急調査・指導 根拠なく「放射性物質完全除去」などとうたい、消費者を誤認させる広告・表示を行ったインターネット通販事業者を指導(東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/07/20l7k400.htm