週刊科学誌『Nature』の出版活動を行うネイチャー・ジャパン(連絡先:東京都新宿区)が不正アクセスを受け、個人情報が流出したことがわかった。同社の17日付の発表によると、流出情報の一部にはクレジットカード情報も含まれ、すでに不正使用の被害も確認されている。
同社のサイト登録者は約19万人で、流出したのはこのうち1万4000人分の氏名、電子メールアドレス、暗号化されたパスワードおよび一部定期購読者のクレジットカード情報。クレジットカード会社からカードが不正に利用された疑いがあるとの連絡を受け、調査したところ、7月1日に同社サイトが不正アクセスを受けていたことが判明したという。
カード不正利用の被害額は1人当たり数百円から多くとも数千円とみられる。同社は被害を受けたユーザーには謝罪し、警察署にも報告したという。
同社は調査会社とともにWebセキュリティの強化を図るため、当面はWeb上での電子取引と登録業務を一時的に停止するとしている。安全な新しいセキュリティ・フレームワークによる登録および電子取引システムを、数週間以内に再開する予定だ。
なお、今回被害を受けたのは、「NPGネイチャー アジア・パシフィック」のWebサイト(natureasia.com)のみで、グループ内の他のWebサイトは不正アクセスを受けていないという。
注)週刊科学誌『Nature』とは
英マクミラン社が発行する1869年創刊の週刊科学総合誌。ノーベル賞の受賞対象となるような論文を掲載することでも知られ、アメリカ科学振興協会発行の「サイエンス」と並ぶ科学界の世界的権威だ。現在、イギリス、アメリカ、日本で同時発行されており、1987年創立のNPG ネイチャーアジア・パシフィックは、同誌のアジア諸国の出版活動全般を担っている。
(2011/08/22 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:ネイチャー・ジャパン】
・NPGネイチャー アジア・パシフィックの ウェブサイトが不正アクセス被害-ご報告とお詫び
http://www.natureasia.com/japan/information/20110817.php