ネットバンクの利用者がIDやパスワードを盗み取られ、預金が不正に別の口座に送金される被害が相次いでいる問題で、3月末から11月24日までに、120口座から約3億円が不正に送金されたことが警察庁のまとめで分かった。
15日に公表された「インターネットバンキングに係る不正アクセス禁止法違反等事件の発生状況等について」によると、この期間に35都道府県の56金融機関で160口座が不正アクセスを受け、120口座で実際に不正送金の被害が発生した。
不正送金の総額は約3億円だが、このうち約2億8200万円は、パソコンに不正プログラム(ウイルス、スパイウェア)を送り込まれたことによる被害。フィッシングによる被害は約2000万円だった。
送金先として使われたのは235口座で、このうち214口座が中国人名義のものだったこともわかっている。
ネットバンクでの不正送金をめぐっては、埼玉県警と警視庁が、8月に起きた2つの事件で4人を、不正アクセス禁止法違反などの容疑で逮捕している。
なお、IDやパスワードを盗むために使われる手口については、全国銀行協会のサイトで分かりやすく解説されている。
(2011/12/16 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・インターネットバンキングに係る不正アクセス禁止法違反等事件の発生状況等について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/warning/h23/111215_1.pdf
・金融犯罪にご用心! スパイウェアによる犯罪(全国銀行協会)
http://www.zenginkyo.or.jp/topic/hanzai/case08/index.html
・金融犯罪にご用心! フィッシング詐欺(全国銀行協会)
http://www.zenginkyo.or.jp/topic/hanzai/case09/index.html