SNSやメールで「悩みを聞いてほしい」「費用は口座に振り込む」など誘われ、有料メール交換を経て数百万円の被害にあうケースが後を絶たない。国民生活センターはこうした手口を“サクラサイト商法”と呼び、5月22日から6月末まで被害撲滅キャンペーンを実施する。30日からは弁護士による電話相談も行われる。
同センターによると、SNSサイトへのメッセージの書き込みや、内職や副業関連サイト、懸賞・占いサイト等に登録後に届くメール、何気ない広告メールなどが、サクラサイト商法の被害にあうきっかけとなる。
最初のメールでは、サイト業者に雇われた“サクラ”が、異性、芸能人、社長、弁護士、占い師などのキャラクターになりすまし、「相談にのってくれたら報酬を払う」「遺産を受け取ってほしい」「節税のためにお金を渡したい」などと誘ってくる。
これらの誘いに乗って、指定されたサイト(サクラサイト)に登録してしまうと、相手はさまざまな理由を挙げてメールのやり取りを長引かせてくる。また、サイト運営者を名乗る人物も、さまざまな理由を挙げて費用請求を送りつけてくる。結果、消費者は高額な料金の支払いを迫られることになる。
同センターは主な相談事例として4つのケースを挙げているが、うち3ケースは30歳代の女性だ。タレントを名乗る人物を相手に260万円、援助を申し出た高収入の人物を相手に180万円、「悩みを聞けば収入を得られる」という広告につられて180万円を、それぞれ騙し取られている。残りの1ケースは60歳代の男性で、婚活サイト登録後に陰陽師を名乗る人物とやり取りし、600万円の被害にあってしまった。
同センターは、このような料金は決して支払わないようにアドバイスするとともに、最寄りの消費生活センターにつながる「0570-064-370」に電話をかけて相談するよう呼びかけている。話中でつながらない場合には、03-3446-1623(国民生活センター平日バックアップ相談)にかけるとよい。また、5月30日~6月2日は、全国の弁護士会・弁護団が「サクラサイト被害撲滅全国一斉110番」を開設するので、利用されたい(最寄りの電話番号は下記「サクラサイト被害撲滅全国一斉110番の開催について」参照)。
(2012/05/22 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・詐欺的“サクラサイト商法”被害撲滅キャンペーン
http://www.kokusen.go.jp/info/data/2012_sakuracamp.html
・サクラサイト被害撲滅全国一斉110番の開催について
http://www.kokusen.go.jp/info/data/2012_sakuracamp_1.html
・詐欺的な“サクラサイト商法”にご用心!-悪質“出会い系サイト”被害110番の結果報告から-
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120419_2.html