オンラインゲームで「コンプガチャ」と呼ばれるアイテム販売の方法について、消費者庁は18日、景品表示法で規制されている「カード合わせ」に当たるという見解を公表するとともに、同法の運用基準改正案を示し、パブリックコメントの募集を開始した。関連事業者6社は5月31日までにコンプガチャの取扱いを終了することを決定している。
「コンプガチャ」は、英単語のcomplete(完成させる)と、駄菓子屋の店頭などに置かれているガチャガチャ(硬貨を入れてダイヤルを回すとカプセル入り玩具が1つ出てくる)を組み合わせた造語だ。オンラインゲームで、ガチャガチャと類似の操作で数種類のアイテム等を全部揃えると、別の希少なアイテムを入手できる仕組みを指す。アイテムを揃えるために「ガチャ」を何度も行って高額な料金を支払うケースが多発し、とくに子どもへの影響が大きいとして問題になっていた。
同庁は、コンプガチャについて、景品表示法の懸賞景品制限告示第5項にいう「カード合わせ」を用いた懸賞による景品類の提供に該当するという見解を示した。これは、同項の規定によって禁止されている。
同庁は、この見解に基づいて「『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準について」の「4 告示第五項(カード合わせ)について」に、次の一文を入れる改正を行うとしている。
(1) 次のような場合は、告示第五項のカード合わせの方法に当たる。
携帯電話ネットワークやインターネット上で提供されるゲームの中で、ゲームのプレーヤーに対してゲーム中で用いるアイテム等を、偶然性を利用して提供するアイテム等の種類が決まる方法によって有料で提供する場合であって、特定の数種類のアイテム等を全部揃えたプレーヤーに対して、例えばゲーム上で敵と戦うキャラクターや、プレーヤーの分身となるキャラクター(いわゆる「アバター」と呼ばれるもの)が仮想空間上で住む部屋を飾るためのアイテムなど、ゲーム上で使用することができる別のアイテム等を提供するとき。
この改正部分に関する国民からパブリックコメントを5月18日から6月18日の期間で募集し、7月1日からの施行を予定している。同庁へ意見を送る方法は、下記の関連URLを参照いただきたい。
なお、コンプガチャのプラットフォームを提供する事業者6社は、コンプガチャの取り扱いを31日までに終了することを自主的に決定しており、事業者としての対応について、パブリックコメント等を通じて意見提出することも検討していくとしている。
(2012/05/21 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・「『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準について」の改正に関する意見募集(意見募集期間:平成24年5月18日~平成24年6月18日)(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/action/comment/index.html
・パブリックコメント:意見募集中案件詳細(電子政府総合窓口)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=235070005&Mode=0
・「カード合わせ」に関する景品表示法(景品規制)上の考え方の公表及び景品表示法の運用基準の改正に関するパブリックコメントについて(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/120518premiums_1.pdf
・「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準について(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_23.pdf
<関連事業者のリリース>
・「カード合わせ」に関する景品表示法(景品規制)上の考え方の公表を受けての対応とプラットフォーム事業者6 社の取り組みについて
(NHN Japan)[PDF]
http://www.nhncorp.jp/press/files/PRESS_20120518180334.pdf
(グリー)
http://www.gree.co.jp/news/press/2012/0518_01.html
(サイバーエージェント)
http://www.cyberagent.co.jp/news/press/2012/0518_1.html
(ディー・エヌ・エー)
http://dena.jp/press/2012/05/6.php
(ドワンゴ)[PDF]
http://info.dwango.co.jp/pdf/news/service/2012/120518.pdf
(ミクシィ)
http://mixi.co.jp/press/2012/0518/10860/