政府機関や民間企業、大学などのWebサイトがサイバー攻撃を受け、改ざんされたり閲覧困難になったりする被害が相次いでいる。警察庁は19日、これら尖閣諸島問題に関連して発生したとみられるサイバー攻撃について、現時点での概要と警察の対応について発表した。
発表によると、中国最大規模のハッカー集団「紅客連盟」の掲示板に、日本の行政機関や重要インフラ事業者等が、攻撃対象として掲示された。また、中国の大手チャットサイト「YYチャット」等では、最大4000人が参加し、攻撃予告や攻撃ツール等に関する書き込みがなされていた。報道によれば、中国のある掲示板では、日本の政府機関にDDoS攻撃を行うツールが用意され、動画サイトで操作方法が説明されたという。
攻撃対象として掲示された日本の組織は、同庁が確認したもので約300にのぼる。そのうち、総務省統計局、政府インターネットテレビなど少なくとも11のWebサイトが一定期間、閲覧困難となった。また、裁判所や東北大学病院など少なくとも8件のWebサイトが、中国の国旗等の画像や政治主張が表示するよう改ざんされた。
同庁は、サイバーフォースセンター(サイバーテロ対策技術室)等で、日本に対するサイバー攻撃に関する書き込みがなされた掲示板やチャットサイト等の監視態勢を強化するとともに、内閣官房等と連携し、攻撃対象とされた組織に注意を喚起していく。また、攻撃を受けた組織に情報提供を依頼し、実態把握と全容解明を図っていくとしている。
(2012/09/20 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・尖閣諸島問題等と関連したとみられるサイバー攻撃事案について(警察庁)
http://www.npa.go.jp/keibi/biki3/20120919kouhou.pdf
・東京工業大学世界文明センターのWebサイトサイバー攻撃に伴う個人情報流出に関するお詫びとお知らせ[PDF](東工大)
http://www.titech.ac.jp/file/press_20120919.pdf
・ホームページの不具合について(東北大学病院)
http://www.hosp.tohoku.ac.jp/