今月10日のWindows Updateを最後に、初期版のWindows 7のサポートが終了した。1年後には、Windows XPのサポート終了も控えている。サポート期間が終了すると更新プログラム」が提供されなくなり、そのまま使い続けると危険な状態に陥る。無料提供されている最新のサービスパックをインストールし、Windows を最新の状態に保っていただきたい。
どの製品も、いつかは寿命を迎える。ハードウェアの場合は、初期不良のみ対応というものもあるが、たいていは、数か月から1年程度の保証期間が設けられており、この間の故障は無償修理や新品交換で対応してもらえる。その後もたいていは問題なく動作し続けるが、やがて劣化が進み、いつかは故障する。保証期間の終了後も、有償で修理してもらえることが多いが、数年から10年くらい経つと保守パーツが手に入らず、修理もままならない状況となる(保証期間とは別に、製造終了後○年というかたちで、修理可能な期間を明示している製品もある)。寿命が尽きたと実感できる瞬間だ。
ハードウェアと違い、ソフトウェアには、寿命を感じさせる要素があまりない。最新のものと比べると多少見劣りするかもしれないが、現状に満足していれば、そのままずっと使い続けたいと思う方も多いだろう。しかし、このソフトウェアにも寿命があることを知っておいてほしい。特にインターネットに接続している場合には、機器の故障とは違う形で、ソフトウェアの寿命が尽きていたことを思い知らされることになるかも知れない。
■ソフトウェアの寿命――「サポート期間」の終了
ソフトウェアにも、ハードウェアの保証期間に相当するものが設けられていることがある。いつまで保守を続けるかという期間を示した「サポート期間」がそれだ。メーカーや製品によってさまざまだが、Windows製品の場合は、製品発売後最低5年間のメインストリームサポートと、最低5年間の延長サポートの、計約10年間のサポートが提供されている。全てのサポート期間が終了すると「セキュリティ更新プログラム」が提供されなくなってしまう。外部からの侵入やウイルス感染に悪用されるような問題が生じても、それを修理するための保守部品が手に入らなくなってしまうのだ。
セキュリティ上の問題は、ハードウェアの故障のように目に見える形で表れず、システムが深刻な状況に陥っていても気がつかないことがある。サポート期間が終了すると、いつ何が起きてもおかしくない、たとえ問題が発生していても気がつかないかもしれない、そんな状態で使い続けているということを肝に銘じておきたい。
■「サービスパック」とサポート終了日
製品によっては、リリース後の修正や機能強化などをひとつにまとめた「サービスパック」が提供されることがある。このサービスパックの有無によって、サポート期間が変わるので注意したい。サービスパックがリリースされて一定の期間が経過すると、ひとつ前にリリースされたサービスパックのサポートは終了してしまう。最初のサービスパックの場合には、サービスパックをインストールしていない、初期版のサポートが終了してしまうのだ。
製品の最終的なサポート終了日は、最新のサービスパックが適用された状態であることが前提となっている。サービスパックは、無料で提供されているので、遅滞なく適用していただきたい。
<Windows XP>
2001年12月発売のWindows XPは、2002年8月に「Service Pack 1」、2003年2月に「Service Pack 1a」、2004年9月に「Service Pack 2」、2008年4月に「Service Pack 3」がリリースされた。サポートは、初期版が2006年10月、SP1/SP1aが2006年10月、SP2が2010年7月に終了しており、現在は、SP3を適用したXPのみがサポートされている。このWindows XP SP3のサポートが、来年4月9日に終了する。
<Windows Vista>
2007年1月発売のWindows Vistaは、2008年2月に最初のサービスパック「Service Pack 1」が、2009年4月に「Service Pack 2」がリリースされた。サポートは、初期版が2010年4月に、SP1が2011年7月に終了しており、現在は、SP2を適用したVistaのみがサポート対象となっている。サポート期間の終了予定は、2017年4月12日。
<Windows 7>
2009年10月発売のWindows 7は、2011年2月に「Service Pack 1」がリリースされ、今月10日をもって初期版のサポートが終了した。今後はSP1のみのサポートになるので、引き続きセキュリティ更新プログラムを配信してもらうためには、SP1を適用しておく必要がある。サポート期間の終了予定は、2020年1月15日。
<Windows 8>
2012年10月発売のWindows 8には、サービスパックはまだ提供されていない。サポート期間の終了予定は、2023年1月11日。
(2013/04/12 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:マイクロソフト】
・サポート終了に関する特設サイト
http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle/xp_eos.aspx
・マイクロソフトサポートライフサイクル
http://support.microsoft.com/lifecycle/?ln=ja
・プレスリリース
http://www.microsoft.com/ja-jp/news/130409_xp_eos.aspx
・Service Pack センター
http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows/service-packs-download