マイクロソフトは15日、5月度の月例セキュリティパッチ(セキュリティ更新プログラム)を公開した。
公開されたパッチは、深刻度が4段階評価で最も高い「緊急」2件と、次に高い「重要」8件の計10件。Windows、Internet Explorer、.NET Framework、Windows Essentials、Office製品が影響を受ける。
【更新プログラムの内容】
<緊急>
・[MS13-037]Internet Explorer用累積パッチ:リモートコード実行の脆弱性
影響:IE6/7/8/9/10
概要:解放したメモリーを再使用する問題10件と情報漏えいの問題1件を修正
・[MS13-038]Internet Explorer 8:リモートコード実行の脆弱性
影響:IE8
概要:ゼロデイ攻撃に悪用された解放したメモリーを再使用する問題1件を修正
<重要>
・[MS13-039]HTTP.sys:サービス拒否の脆弱性
影響:Windows 8/RT/Windows Server 2012
概要:HTTPプロトコルスタック(HTTP.sys)のヘッダー処理の問題1件を修正
・[MS13-040].NET Framework:なりすましの脆弱性
影響:全てのWindows上の.NET Framework 2.0/3.5(SP1を除く)/3.51/4
概要:XMLデジタル署名のなりすましの問題1件と、認証をバイパスされる問題1件を修正
・[MS13-041]Lync:リモートコード実行の脆弱性
影響:Communicator 2007 R2/Lync 2010/Lync Server 2013
概要:Lyncコントロールが解放したメモリーを再使用する問題1件を修正
・[MS13-042]:Publisher:リモートコード実行の脆弱性
影響:Publisher 2003/2007/2010
概要:Publisherファイルの取り扱いで発生する問題11件を修正
・[MS13-043]Word:リモートコード実行の脆弱性
影響:Word 2003/Word Viewer
概要:Wordファイル内の図形データの取り扱いで発生する問題1件を修正
・[MS13-044]Visio:情報漏えいの脆弱性
影響:Visio 2003/2007/2010
概要:外部ファイルの参照指定で任意のファイルが読み出せる問題1件を修正
・[MS13-045]Windows Essentials:情報漏えいの脆弱性
影響:Windows Essentials 2011/2012の「Windows Writer」
概要:URLパラメーターの処理でプロキシー設定が上書きされる問題1件を修正
・[MS13-046]Windowsカーネル:特権昇格の脆弱性
影響:全てのWindows
概要:DirectXカーネルモードドライバー(dxgkrnl.sys)とWindowsカーネルモードドライバー(win32k.sys)がメモリ内のオブジェクトを正しく処理しない問題計3件を修正
このほか、Windows 8/RT/Server 2012上のInternet Explorer 10に搭載されているAdobe Flash Playerの更新プログラムと、新たに偽セキュリティソフト「fakedef」など3種に対応した「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」の更新バージョンが公開された。
■MS13-038について
このセキュリティ更新プログラムは、今月初めに発生したゼロデイ攻撃に悪用された、IE 8の脆弱性を修正する。適用後は、実施していた回避策が不要となるので、元の状態に戻すことができる。回避策に「Fix it」を使用していた場合には、下記の「サポート技術情報 2847140」にある「無効にする」側のアイコン(Microsoft Fix it 50991)をダウンロード/実行すると、適用した回避策が無効化され元の状態に戻る。
(2013/05/15 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:マイクロソフト】
・セーフティとセキュリティセンター
http://www.microsoft.com/ja-jp/security/default.aspx
・2013 年 5 月のセキュリティ情報
http://technet.microsoft.com/ja-jp/security/bulletin/ms13-may
・Microsoft Update
http://windowsupdate.microsoft.com/
・セキュリティアドバイザリ(2755801)Internet Explorer 10 上の Adobe Flash Playerの脆弱性用の更新プログラム
http://technet.microsoft.com/ja-jp/security/advisory/2755801
・セキュリティアドバイザリ(2847140)Internet Explorer の脆弱性により、リモートでコードが実行される
http://technet.microsoft.com/ja-jp/security/advisory/2847140
・サポート技術情報 2847140
http://support.microsoft.com/kb/2847140