セキュリティ企業のマカフィーは、米国の子ども世代のインターネットの使い方を調査し、親が子どもの危険なオンライン行動を把握できていない実態を明らかにした。同社は、親はもっとデジタルに詳しくなり、子どもがインターネットで危険な目にあわないように導く必要があるとアドバイスしている。
マカフィーの調査は、米国の10~23歳の青少年と、10~23歳の子どもを持つ親を対象に、今年4月3日から15日に行われた。調査方法はオンラインインタビューで、2474人(青少年1173人、親1301人)が調査に応じている。
■親が知らない子の実態--Facebookの利用、個人情報の投稿
10~12歳の子どもはFacebookでプロフィールを持つことは厳密には許可されていないが、調査では彼らの85%が、Facebookを使用していることを認めている。10~23歳の86%はソーシャルサイトが安全だと考え、個人情報を継続的に投稿している。メールアドレスは50%が投稿しているが、それを知っている親はわずか17%、デートの相手などの個人情報を掲載していることを知っている親は12%に留まる。また、青少年の約25%が1日に5~6時間をオンラインで過ごしているが、親の過半数は1~2 時間だと思っている。
■いじめの温床のソーシャルサイトに参加、不適切なトピック検索も
青少年95%は少なくとも1つのソーシャルサイト(以下、SNS)を利用しており、第1位はFacebook(約86%)、2位はTwitter(約59%)だった。SNSはいじめの温床になっており、青少年の4人に1人以上(27%)がSNSで陰湿な行為が行われているのを見たことがあると答え、うち89%はFacebook でこのような行為が起こったと述べている。18~23歳の58%はSNSでコメントを投稿したことがあるとし、そのうち46%は下品な言葉を遣い、26%は悪意に満ちたものだったという。13~23歳の14%は、他人のSNSのアカウントやメールを盗み見したことがあると答えている。13~23歳の57%以上がネットで性的トピックを検索し、48%は親が許可しないと思われるWebサイトやビデオを検索している。しかし、そんな子どもの行動に気づいている親は10%台に留まる。
■子どもが親の監視をすり抜けてしまう実態
調査結果は、親の知識が子に及ばず、子が親の監視をすり抜けてしまう実態を示している。10~12歳の子どもの41%は親にモバイルアプリのパスワードを設定されているが、うち92%はそのパスワードを知っており、親の半数以上(60%)は子どもはパスワードを知らないと思っている。10~12歳の子どもの半数以上(58%)は親の目から自分のオンライン行動を隠す方法を知っており、ほぼ4人に1人は、ブラウザの履歴を消去するかプライバシーモードを使用し、自分の行動が親にわからないようにしているという。また、10~23歳の約22%は、自分の行動を親の目から隠すためにモバイルデバイスを使用していると答えている。親の74%はこうした実態を認め、「デジタル分野で子どもに追いつくための時間も気力もないので、悪いことが起きないように願うしかない」と答えているという。
マカフィーのミシェル・デネディ氏は、この調査結果を踏まえ、とくに10~12歳という年齢層の子どもについて心配している。「オンラインで共有・投稿した内容が永続的に残り、しかも世界中に広まってしまう」という認識がまだ育っていないと考えられるためだ。同氏は、「親はもっとデジタルに詳しくなり、子どものオンライン行動を把握し、彼らがインターネットで危険な目にあわないようにさまざまな方法で導く必要がある」とアドバイスしている。
(2013/07/03 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:マカフィー】
・マカフィー、青少年のオンライン活動実態に関する調査結果を発表
http://www.mcafee.com/japan/about/prelease/pr_13b.asp?pr=13/07/01-1
・McAfee Digital Deception Study 2013:Exploring the Online Disconnect between Parents & Pre-teens,Teens and Young Adults][英文] [PDF
http://www.mcafee.com/us/resources/reports/rp-digital-deception-survey.pdf