警察庁は7日、「インターネット・ホットラインセンター」の運用状況について、今年度上半期分をとりまとめて公表した。同センターが受理した通報件数は6万1658件で、昨年同期に比べ約2/3に減少。警察に9132件を通報し、うち637件が検挙された。
インターネット・ホットラインセンターは、警察庁からの委託業務としてインターネット上の違法情報、有害情報に関する通報を一般ユーザーから受け付け、警察への通報やサイト管理者への削除依頼などを行っている。
■違法・有害ともに通報件数が減少
発表によると、同センターが今年1~6月の半年間に受理した通報件数は6万1658件で、前年同期(9万9052件)の約2/3に減少した。 わいせつ物や児童ポルノなど法令に違反する「違法情報」は、1万4014件(前年同期1万7791件)だった。違法情報で最も多かったのは、わいせつ物公然陳列1万829件(77.3%)で、次いで児童ポルノ公然陳列1382件(9.9%)、出会い系サイト規制法違反591件(4.2%)、規制薬物の広告586件(4.2%)。規制薬物の広告は、昨年は2195件(12.3%)でわいせつ物公然陳列に次いで多かったが、大きく減少した。 殺人などの違法行為を請負うとしたり、集団自殺を呼びかけたりするなどの「有害情報」は1834件(前年同期4613件)で、減少が目立つ。知的財産権侵害や、子どもに悪影響を及ぼすおそれがあるポルノ情報、出会い系サイトの存在情報など、「違法」「有害」に分類されない「その他の情報」は4万7312件(前年同期7万9311件)だった。
■違法・有害ともに削除率が向上
同センターからサイト権利者等へ削除依頼を行った件数は、違法情報6539件、有害情報812件。実際に削除されたのは違法情報6280件(96.0%)、有害情報712件(87.7%)だった。削除率は昨年同期に比べ、違法情報で7.2ポイント、有害情報で16.9ポイント上昇している。 警察への通報件数は、違法情報9068件(前年同期1万725件)、有害情報64件(前年同期64件)。センターからの通報に基づき検挙に至ったのは、違法情報で634件、有害情報で3件だった。
(2013/11/12 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】 ・平成25年上半期の「インターネット・ホットラインセンター」の運用状況等について[PDF](警察庁) http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h25/pdf03-1.pdf ・インターネット・ホットラインセンター http://www.internethotline.jp/index.html